内容説明
バブル崩壊後の「失われた10年」を経て、白洲次郎、正子夫妻の生き方に共感する人々が増えている。戦後、己のプリンシプルを貫きGHQと折衝した次郎、独自の視点から、忘れられたこの国の美を綴った正子。なぜ、平成の世に生きる私たちは、この夫妻に魅せられるのか?文芸評論家・小林秀雄の初孫でもある白洲信哉氏が、3人の祖父母から継承した「白洲家の流儀」を珠玉のエピソードを交えて書き下ろした―。
目次
第1章 祖父母と僕(親子三代の生活;「ほっぺにプーして」 ほか)
第2章 白洲家のしきたり(プレイ・ファストの精神;せっかちな指導教官 ほか)
第3章 白洲家のこだわり(「オイリーボーイ」たる所以;次郎との再会 ほか)
第4章 白洲家の教え(「政治家秘書」採用試験;新党結成 ほか)
著者等紹介
白洲信哉[シラスシンヤ]
1965年東京都生まれ。文筆家。大学では考古学を専攻。大学卒業後はイギリスに遊学し、帰国後、細川護熙元首相の秘書となり、92年から首相公設秘書を務めた。その後、99年から執筆活動に入り、日本の伝統文化の普及に努め、書籍編集や文化イベントのプロデュースも手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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桃水
11
2010/04/12:著者の祖父母の白洲次郎&正子夫妻だけでなくもう一方の祖父小林秀雄の逸話や名言もあり、とても面白く読みました。 本は何回も読むものだという考えや好きなものより嫌いなこと(の基準)をはっきり言うなどは耳が痛かったですし、自分の目で見て感じること、「もてなし」についてなどは考えさせられました。2010/04/12
Kaho
8
「われわれは戦争に負けたのであって、奴隷になったのではない。」この言葉を毅然とGHQに対峙した白洲次郎と「青山学院」といわれる文人達の集まりに入りたくて「韋駄天のお正」と渾名まで付けられた白洲正子を父方の祖父母に持ち、評論家の小林秀雄を母方の祖父に持つ白洲信哉氏が彼らからどう影響を受け、活力にしたかという生き方を綴ったもの。小林からは本の読み方を、次郎からは「骨董」との付き合い方、大人との付き合い方、正子からは「神仏習合」を追い求める姿勢からの自然との共存の仕方。「粋」である。2015/02/08
りん
3
白洲夫妻の孫として見つめた日々の生活で大切にしていたこと。そして生き様が垣間見えるエピソードが人への優しさや自分たちの誇りに満ちていると思った。2011/08/06
あゆ
3
小林秀雄が好きなので、そのDNAを受け継いで現代を生きているお孫さんは、どんな風に感じて、どんな風に生きているのだろうという興味から読みました。 著者ご自身や、白洲次郎、正子、小林秀雄の様々なエピソードが散りばめられていて、とても楽しく読みました。 なんだか少し勇気が出た。2011/07/09
Akio Kudo
2
白州次郎の孫でなければ、こんな本を出すことはなかっただろう。そのぐらい価値を見出すことは出来ない。2018/05/09