出版社内容情報
数々の名画を生み出した「笑い」の謎に迫る
17世紀オランダの巨匠フェルメールの作品は、一般に、静謐で精神性の高い世界を描き出していることで知られています。しかし、わずか30数点しかない彼の作品のうち、約三分の一にあたる10点の作品に、「笑う人物」が描かれていることには、意外と気づかないのではないでしょうか。しかも、その笑いは思いのほかに俗っぽく、見る者を誘うような笑いから、恥ずかしさを示す笑い、皮肉な冷笑、嘲笑や嬌笑まで、実に多様で豊かなものなのです。
実際に作品を前にしても、あまり意識されず、そのためついつい見過ごしてしまいがちですが、実は、西洋絵画の歴史において「笑い」は、数々の名画を生み出す原動力となってきました。イタリア・ルネサンスの巨匠レオナルド・ダ・ヴィンチが、傑作《モナ・リザ》において「人間性」の本質として「笑い」を描いて以来、「神(笑わない)に捧げる絵画」に対して「人間(笑う)のための絵画」である証として描かれた「笑い」は、豊かで奥深い独自の発展を遂げたのです。
本書では、いかにして「笑い」の表現が名画を生み出してきたのか、多くの具体的な作例を見ながら、その謎に迫ります。
元木 幸一[モトキ コウイチ]
著・文・その他
内容説明
なぜモナ・リザは微笑んでいるのか?なぜフェルメールの絵には「笑い」が満ちているのか?西洋絵画の歴史のなかで、数々の名画を生み出してきた「笑い」の正体に迫る。
目次
第1章 モナ・リザは、なぜ微笑むのか?(「笑顔」の付加価値;ゴシックの笑顔 ほか)
第2章 イエス・キリストの笑い(笑うマリアと笑わぬイエス;禁じられた笑い ほか)
第3章 フェルメールの笑い女たち(フェルメールが愛される理由;笑顔に潜む謎 ほか)
第4章 笑いの裏側(気味の悪い笑顔;嫌らしい笑顔 ほか)
第5章 絵を見て笑う(笑いの仕掛け;情けないアリストテレス ほか)
著者等紹介
元木幸一[モトキコウイチ]
1950年宮城県生まれ。山形大学人文学部教授。東北大学文学部卒業(西洋美術史)、同大学院文学研究科修士課程修了(美学美術史専攻)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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