小学館101ビジュアル新書
笑うフェルメールと微笑むモナ・リザ―名画に潜む「笑い」の謎

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  • サイズ 新書判/ページ数 191p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784098230228
  • NDC分類 723
  • Cコード C0271

出版社内容情報

数々の名画を生み出した「笑い」の謎に迫る

17世紀オランダの巨匠フェルメールの作品は、一般に、静謐で精神性の高い世界を描き出していることで知られています。しかし、わずか30数点しかない彼の作品のうち、約三分の一にあたる10点の作品に、「笑う人物」が描かれていることには、意外と気づかないのではないでしょうか。しかも、その笑いは思いのほかに俗っぽく、見る者を誘うような笑いから、恥ずかしさを示す笑い、皮肉な冷笑、嘲笑や嬌笑まで、実に多様で豊かなものなのです。
実際に作品を前にしても、あまり意識されず、そのためついつい見過ごしてしまいがちですが、実は、西洋絵画の歴史において「笑い」は、数々の名画を生み出す原動力となってきました。イタリア・ルネサンスの巨匠レオナルド・ダ・ヴィンチが、傑作《モナ・リザ》において「人間性」の本質として「笑い」を描いて以来、「神(笑わない)に捧げる絵画」に対して「人間(笑う)のための絵画」である証として描かれた「笑い」は、豊かで奥深い独自の発展を遂げたのです。
本書では、いかにして「笑い」の表現が名画を生み出してきたのか、多くの具体的な作例を見ながら、その謎に迫ります。


元木 幸一[モトキ コウイチ]
著・文・その他

内容説明

なぜモナ・リザは微笑んでいるのか?なぜフェルメールの絵には「笑い」が満ちているのか?西洋絵画の歴史のなかで、数々の名画を生み出してきた「笑い」の正体に迫る。

目次

第1章 モナ・リザは、なぜ微笑むのか?(「笑顔」の付加価値;ゴシックの笑顔 ほか)
第2章 イエス・キリストの笑い(笑うマリアと笑わぬイエス;禁じられた笑い ほか)
第3章 フェルメールの笑い女たち(フェルメールが愛される理由;笑顔に潜む謎 ほか)
第4章 笑いの裏側(気味の悪い笑顔;嫌らしい笑顔 ほか)
第5章 絵を見て笑う(笑いの仕掛け;情けないアリストテレス ほか)

著者等紹介

元木幸一[モトキコウイチ]
1950年宮城県生まれ。山形大学人文学部教授。東北大学文学部卒業(西洋美術史)、同大学院文学研究科修士課程修了(美学美術史専攻)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

瀧ながれ

8
《モナ・リザ》について、「なぜダ・ヴィンチは、リザ夫人の肖像画を微笑ませなければいけなかったのか」という謎解きに、「なるほどー」と思いました。西洋絵画に描かれた「笑い」に注目した本で、カラーの図版も多くて、こんなにいろんな「笑い」(楽しみ/幸福/卑屈/悪巧み)があるのかと楽しめました。2013/09/03

くまこ

6
「さくさく読めたね。モナ・リザとフェルメールだけじゃなく、『笑い』という視点から西洋絵画の流れを解説してるのね」「第2章の『イエス・キリストの笑い』がよかったわ。磔に処せられるキリスト像と幼子イエスを比較して、中世末期の歴史的背景に言及してるところがよかったな」「フェルメールの作品では『手紙を書く女』が好き。にこっと幸せそうなんだよ」「絵の中の人が語りかけてるよね。演劇の舞台で、フェルメールは演出家みたい」2014/02/20

リョウ

5
西洋美術を「笑い」の観点から紐解くユニークな書。キリスト教が支配する自体においては「笑い」自体は忌避される者として絵画の中でも特別な意味を占めている。ルネサンスを経てキリスト教の影響力が弱まるに従い、「笑い」と表現方法の一つとして採り入れるようになる。2023/03/17

m

5
笑いに着目して西洋絵画を見る。確かに昔の絵は真顔というか仏頂面のものが多い。時代を経て少しずつ画中の人物の表情も和らぎ、笑顔が増えていくのが面白い。柔和な微笑み、下卑た笑み、鑑賞者を嘲笑うかのような笑み。新たな目の付け所を発見出来て嬉しい。2021/06/11

千尋

4
西洋絵画における笑みの紹介と解説。笑みには謎がつきもの。もっとたくさんの絵画を見てみたい。2013/11/15

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