メモリーズ

ジミー【作・絵】/岸田 登美子【訳】

小学館（2003/10発売）

• サイズ A5判／ページ数 119p／高さ 14X20cm
• 商品コード 9784097273677
• NDC分類 726.5
• Cコード C0771

出版社内容情報

第一作のラブ・ストーリー『君のいる場所』が金城武・主演で映画化され、益々人気のジミー。大人向け絵本第4弾は、心のアルバムに納められた様々な「一瞬」を詩情豊かに描き出します。懐かしさと切なさに包まれます。

憶えていますか、あの日のあなたを？　あの日、あのとき、確かに存在したのは、無邪気な優しさ、ささやかな夢、忘れかけていた恋心……。ずっと留まっていたかった幸せだったあのとき、早く流れ去って欲しかった辛かったあの時間、許されるなら戻りたい懐かしいあの時代……。心のアルバムに残された、数々の「一瞬」をひもとけば、見えてくるのは明日へのメモリーズ??。　第一作「君のいる場所」が映画化され、ますます人気のジミー。本書では、フォト・アルバムの形を借りて、様々な人生の一瞬を繊細な美しい絵と詩情豊かな文で切り取ります。忘れていた過去を思い出し、懐かしい気分になりながらも、明日へ続く道が見えてくる大人向け絵本です。

内容説明

ずっととどまっていたかった…幸せだったあのとき。はやく流れ去ってほしかった…つらかったあの時間。心のアルバムに残された思い出を呼び起こすフォト・メモリーズ。

目次

一瞬
天より高く
本当はね
小さな始まり
覚えているのは
引っ込み思案
秘密
向こう側
来る？来ない？
夢〔ほか〕

著者等紹介

ジミー［ジミー］
台湾在住の絵本作家。１９９８年より、白血病がきっかけとなって絵本の創作活動に入る。９９年に発表した『君のいる場所』（小社刊）が大ベストセラーとなり、人気はアジアから欧米へと拡大。その後、『君といたとき、いないとき』『地下鉄』など、発表する作品のすべてがヒットしている

岸田登美子［キシダトミコ］
北海道生まれ、東京在住
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[やすらぎ]

忘れたことは多いけれど、あの日はきっと存在していた。小さな楽しみや悲しみにはこれといった印象はないのに、たった一枚の写真から突然思い出す記憶。消え去ったと思っていたもの、幸せだったときのこと。今だって引きずっていることも、得意満面になったこともある。笑えずに不安になって泣きじゃくったことも、気持ちが伝わってほっとしたことも。台湾作家ジミーの不思議な絵本。次々に記憶が蘇る。子どもの頃に負った傷は癒えないが、写真を並べてみれば幸せな人生を送れるのかもしれない。だって孤独や悲しい場面は写真に収めたりしないから。

2022/12/18

[新地学@児童書病発動中]

なんというか心の一番柔らかい部分に、深く入り込んでくる内容を持った絵本。繊細で瑞々しく、可憐な絵に読むたびに溜息をついてしまう。添えられた作者の文章も切なくて、ノスタルジックで、読んでいると自然と涙がこぼれ落ちてくることがある。この本をずっと胸に抱きしめて、死ぬ時まで大切に読んでいきたいと思う。作者のジミーは、自分が過ごした時間を大切に胸の中にしまいこんで、それを慈しみながら、作品にすることができる芸術家だ。

2017/09/30

[ひほ]

この本は写真を撮る前後のおもしろさをとらえようとして描いた作品らしい。クスッと笑えるものやちょっと淋しくなってしまうものなどいろいろあったけれど、絵が優しいのでどの絵を見ても癒されます。文章は「予感」と一番最後の「幸せ」が好き。絵は「記念写真」と「潮風にだかれて」が好きです。

2014/04/08

[新田新一]

台湾の絵本作家ジミーの傑作。想像力を刺激する絵が多いので、子供たちが読んでも楽しめると思うのですが、どちらかというと大人向きです。一つ一つの絵に繊細で切ない散文詩のような文章がつけられており、それを読むと心が震えます。ちょうど自分にとって大切な子供時代の思い出が、蘇るような感じです。ジミーは私たちと同じ東洋人なので、彼の絵には親しみやすさと郷愁を感じます。８ページに載っている大きなピンクのブタと、その前にいる木馬に乗った小さな男の子の絵が一番の好みです。可愛くて幻想的で、子供時代の夢想を思い出します。

2024/04/01

[ヒラ[e-mail]]

ジミーさんの絵本を探していて見つけた本です。 ジミーさんの記憶にある光景、想像にうかんでくる光景を、１枚の写真に見立てた絵にしています。 その光景を語りながら、感じることを対にして、見開きで１つの空間を作っています。 それぞれを眺めながら、時には立ち止まって、ジミー・ワールドを味わいました。

2024/01/21