出版社内容情報
環境アートの第一人者シムシメールが贈る地球への賛歌
チョウのオオカバマダラは、アメリカ北部からメキシコまで4,000?5,000キロを、渡り鳥のように集団で移動します。その長い旅の中で、年老いたオオカバマダラは、クマ、アザラシ、ゾウ、ゴリラ、ライオン、イルカ……など、地球上にすむたくさんの動物に出会い、この星の素晴らしさに気づきます。そして、そのことを若いオオカバマダラに伝えるのです。「この地球は、宇宙の中で最も素晴らしい宝ものなのだ」と……。
”私たち人間は、地球上に共に暮らす生きものたちを愛し、大切にしなければならない”というシメール氏のメッセージがこめられた絵本です。
この絵本は2010年、アメリカの「ノーチラスブック賞」の金賞を受賞しました。
シム シメール[シム シメール]
著・文・その他
小梨 直[コナシ ナオ]
翻訳
内容説明
地球は宇宙にひとつの、かけがえのない星。小さなチョウの大きな旅の物語。世界中を1年かけて旅し、故郷に舞いもどったオオカバマダラ。年老いた賢いこのチョウは、旅で見つけた宝もののことを、1匹の幼虫に伝えようとします。チョウの宝ものとは、なんだったのでしょう?環境アーティスト、シム・シメールが贈る、地球へのメッセージ絵本。2010年ノーチラス賞金賞受賞。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みさどん
14
ラッセンの絵のよう。美しく輝いて浮き上がったような陰影。昆虫は子育てしてもらえない。親から子へは組み込まれた遺伝子だけなのだ。でも、チョウが次世代のイモムシへ伝えたらこうなるだろう。一生のうちに途方もない距離を飛ぶマダラの仲間。いいところだけ描いてあるけれど、飛び回って見るのは絶望もたくさんだろうな。2020/02/04
ヒラP@ehon.gohon
9
有名な環境アート・イラストレーターのシム・シメールの絵本。 地球環境と動物保護を訴えるシメールならではの絵本ですが、この絵本については文章がいらないと思ってしまいました。 テーマはわかるし、何も書き添えなくても絵だけで言いつくしているのですから。 シメールはメッセージ性の強いイラストレーターです。 そして、文字は絵に溶け込ませにくい作家でもあると感じました。 モッタイナイのです。 でも、これだけインパクトを残したのだから、作家の意図としては成功でしょうか?2010/11/04
遠い日
5
超絶にリアルな精緻な絵が語りかけてくる。オオカバマダラの渡りについての興味深い物語は、科学絵本であり壮大な冒険物語のようにも読める。このオオカバマダラの生態の不思議、1年の4世代が生まれ、その4世代目だけが渡りをするという。生存の時間も、1〜3世代目が6〜8週間の寿命であるのに比して、4世代目は渡りをするからか10ヶ月生きるという。そんなすばらしい生命力を持つオオカバマダラへの驚嘆と尊敬に満ちたお話。2025/03/07
こどもふみちゃん
5
絵が、絵が、絵本にしてもいいの?ってくらい本物。イルカの絵で有名な クリスチャン=ラッセン さんの絵みたい。この方の絵画展を昔見た気がする。表紙のくまの絵よりも、本の中のトラや地球の絵がとっても素敵★ どうやったら、こんなにきれいな絵が描けるのでしょうかね(゜o゜)3・4・5・6・7・8・9・10歳向け。2011/05/24
くるた
1
なんといっても絵が美しい!地球の美しさや各地の動物たちを、チョウの目を通して紹介する内容です。リアルで迫力のある絵が見どころなので、読み聞かせの時はゆっくり読んで、絵をじっくり味わってほしいと思います。案内役のチョウであるオオカバマダラの、渡り鳥のような特異な性質についても、最後に説明したいなと思います。ストレートな内容なので、中学年くらいからいけると思います。10分弱。2015/07/17