内容説明
何万年もの時をかけて同じ場所で、じっと森が生まれ、森が育つのを見てきた青い石。ある日、人の手で半分に割られ、片方だけが運び出されたことから始まる愛と流浪、再生の物語。『帰りたい、あの場所へ…』かすかな希望だけを胸に懐かしさに身を焦がす旅は始まる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やすらぎ
161
140頁に渡り、切なさが増していく。遥か昔、何万年も前からそこにあった。深い森のさらに奥で生命の愛に包まれていた。それなのにある日、人の手によって運命を変えられてしまった、ブルー・ストーン。人は手に入れたときに喜びを失う。残酷な別れの後に拾われても、また喜びを失う。この現実は受け入れ難く、ふとした瞬間に激しい悲しみが襲ってくる。戻りたい、すぐに会いたいのに。離れるほど想いは募っていくのに、クリスマスの夜が過ぎても彷徨っている。みんな忘れてしまった、誰もいなくなった夜になるまで、帰ることはできないのだから。2023/12/23
浅葱@
37
悲しみと諦めない心の先に希望がある。長い時間をかけて帰る物語。講座で紹介しました。誰も知らなくてこういう本をお勧めできて良かった。2015/11/12
ぶんこ
29
切ないような、美しい本。 石にも心があるような気がしてきました。 大きな石を、なぜ半分にしてまで欲しかったのでしょうか? 人の欲望は不思議です。2014/07/24
浅葱@
16
「メメント3・11読書本」 今夜は片割れの青い石の想いを3・11に重ねて読みました。想うこと、願うことを忘れなかったのは、余儀なく連れ去られた片割れも森に残った片割れもだと思う。また新たな一年が始まります。祈りと願いを込めて。2013/03/11
やーるー
11
最初に読んだ『君のいる場所』が良すぎて期待し過ぎたんだと思う◆人間に割られた青い石は、離ればなれになったもう片方のことを思い出し、悲しみ辛くなっては割れてどんどん小さくなっていく◆青い石に関わる人たちとのふれあいを通じて、どこかで割れるのが止まって欲しかったです。どうしても自己憐憫としか思えませんでした。ネガティブな感想となり残念。時間をあけてもう一度読んでみます。2015/10/28