出版社内容情報
森村泰昌が演出する、文学と美術の劇的遭遇
岡山県倉敷市の大原美術館で2025年10月7日~11月9日開催の森村泰昌展「ノスタルジア、何処へ。」は、美術・文学・音楽のあいだの失われた絆を回復しようとする画期的な試み。全3章で構成され、第1章「まなざしが、ことばに、こだまする。」では、同館が収蔵する国内外の近代美術作品に古今の詩歌を組み合わせて展示。ユニークな自画像作品で知られる現代美術家の森村泰昌さんが美術作品と文学作品を選び、ふたつ並べて展示することで、作品どうしが響き合い、新たな解釈の可能性を生み出します。
本書は、第1章と同じタイトルで、展覧会の内容を収録したもので、展覧会の図録も兼ねています。
モネの『睡蓮』に藤原定家の和歌、クールベの『秋の海』に三好達治の詩、佐伯祐三の絵画にボードレール、というように、洋の東西も時代も超えて、森村さんは美術と文学を強引に出会わせます。両者のあいだに生まれる共振や反発を、読者は「事件」として目撃することになります。
【編集担当からのおすすめ情報】
個人的には、尾﨑放哉の〈咳をしても一人〉と高村光太郎の彫刻が出会う見開きが圧巻です。
【目次】