内容説明
今、地球はアマゾンを失いかけている。宇宙にまで生活圏を求めるようになった今、この地球上に人間の影響の及ばない場所はない。もはやアマゾンは原始的でも、未開の地でもなくなってきている。大規模な森林破壊、環境汚染、絶滅に追いやられる野生動物など、アマゾンを取り巻く現状は厳しい。美しい自然風景を蝕み続けるその先には何があるのだろう。これは一人の写真家が、10年の歳月をかけて捉えたアマゾン最後の姿である。
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びんちゃんぽんだな本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
姉勤
21
アマゾンの自然を大判の写真集で。溢れる色彩。天地がこれだけ広く美しい。ありのまま切りとれるカメラマンとの共同芸術、そして、シャッターを押せた縁起。余分なものがない美しさと輝き。それが空の色でも、ジャングルの木々でも、水面でも、花でも、鳥でも、獣でも、魚鱗でも、人の暮らしでも、表情でも。2017/03/21
kanata
13
年末、東京ドームシティで開催中の天野氏の写真と自然の循環がテーマのアクアリウムを観に行った。写真は大きく、氏の大判写真へのこだわりを見せられた。彼の自然に対する強い感情には驚いてしまう。純白の砂浜に灰を撒き散らすバイオエネルギーには課題がある等の指摘は勿論のこと、服を着ないアマゾンの原住民がキリスト教の人びとから衣服を与えられ身に纏うことの違和感にまで言及している。地球上の事物を広く見渡す視野はどこで培われたか。アマゾンの山から見下ろす絶景を一番愛した天野尚。鳥だったら幸せだったんだろうなと故人を偲ぶ。2018/01/07
ミナコ@灯れ松明の火
12
開高健のオーパ!を思い出した。写真はとても素敵だったけれど、いつか必ず、あの森の中に身を置いてみたい。圧倒的な自然の中、何もないところにいると却って神経が研ぎ澄まされて行くという感覚はなんとなく分かるような気がする。2011/03/18
ochatomo
5
“地球最後の楽園” 干ばつで乾ききった土にもバクテリアが住む生命の豊穣 強く見えるが、焼失時の灰は川を汚して環境破壊が伝染していく 原住民インディオとの交流も興味深い 2010刊2018/03/08
FFFT
5
アマゾンの景色はテレビなどでしか見たことはありませんが、あれほどの広大な地域で膨大な数の生命が息づいて、天候の表情も同じではない。また新しいアマゾンの風景を見ることができたー… という気がしました。密林に住んでいる人たちは、周囲は深い森で囲まれているのに自宅に観葉で植物を育てている、という記述に興味深いものがりました。 また、「現地の食材にはそれに適した酒が必ずある」そうです(アマゾンだったらカイピリーニャ?)ならばその酒とともに密林の風景を堪能してみて~と思いましたがとりあえず写真で満足しておこうと思い2012/03/04