著者等紹介
菊池哲男[キクチテツオ]
1961年、東京生まれ。立教大学理学部物理学科卒。これまで山岳・写真雑誌やカレンダー、ポスター等に多くの作品を発表する。山岳スキーの分野でもヨーロッパアルプスの最高峰モンブランを始め、モンテローザやオートルート、そしてカナダのロジャースパスなど国内外で300ルートを越える滑降取材を行う。2007年、長野県白馬村和田野に常設の「菊池哲男山岳フォトアートギャラリー」がオープン。日本写真家協会(JPS)会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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やすらぎ
156
山岳写真に傾倒した菊池哲男さん。山が好きなのだろう。月や星、山の風が大好きなのだろう。ここにしかない景色を探して、ずっとひとりで歩いていたという。黎明の空を待ち、頂に向かう人々の光跡を追い、遥か雲海に無事を願う。暮れゆく茜雲、残照と月に染まる雲、たった一日を織りなす景色は雄大である。凍てつく空を星月夜が奏でている。北極星を中心にした永遠を描いている。夜にしか出逢えない数々の灯りを音もなく見つめている。抱えきれないほどの星空シンフォニー。心なごむ瞬間。空に月が浮かぶ夜は、なぜ星がより美しく見えるのだろうか。2023/08/12
かわうそ
12
山登りは遠足で行ったくらいで、今は全然しない。まして雪山など、素人などは死にに行くようなもの。しかし、人がほとんど入れないような領域って本当に美しいなと思う。澄み渡るという表現がしっくりとくる。迫力のある山嶺のずっと奥に、遠く小さく見える人々の営みの灯り。星空の大きさと山々の美しさと自分の小ささとを同時に感じられた。日頃積もっている心の曇りまで映してくれるような写真集。日常でもどうか、この感覚は忘れずにおきたい。2016/08/25
のすけ
1
著者が夜から夜明けにかけて山地で撮った写真集。まっさらな雪景色とまばゆい星の対比や、水平に真っ赤に染まる空がひどくきれいで山登りしたくなってくる。こんな広大な自然と、一人きりで向き合って見たい。2017/09/08
deerglove
1
これはいいなあ。自分が登るのはどうしても冬季以外が中心なので、白馬、穂高、槍、剱、あるいは八ヶ岳ですらまったく違った姿に見える。そんな時期、時間に出会ってみたくなる。2015/08/22
yuzi
1
北アルプスを中心とした夜の山岳写真集。1つ1つが究極一枚と言える。ハッとする自然美。雲海が見えるような山に登ったことはないのですが、これが現実なのか、と思うような美しさ。きっかけはゴッホの「星月夜」。それから天文少年になり、山登りをするようになった菊池さんならではの写真集。気持ちが広くなります。2010/06/09