出版社内容情報
彗星のように現れて消えていった、天才童謡詩人、金子みすゞ。わたしたちのこころに永遠に生きつづけるその童謡詩を金子みすゞ記念館館長・矢崎節夫による鑑賞解説付き、現代仮名遣いで収録。
金子 みすゞ[カネコ ミスズ]
著・文・その他
矢崎 節夫[ヤザキ セツオ]
著・文・その他
内容説明
彗星のように現れて消えていった天才童謡詩人、金子みすゞ。いのちの尊さや宇宙の真理をうたい永遠に輝きつづけるその童謡詩を、現代仮名遣い、鑑賞解説付きで収録。
目次
おさかな
八百屋の鳩
小さなうたがい
紋附き
美しい町
夜なかの町
木
おはじき
大漁
電報くばり〔ほか〕
著者等紹介
金子みすゞ[カネコミスズ]
1903年(明治36)~1930年(昭和5)。大正末の童謡界に彗星のように現れ、西條八十に「若き童謡詩人の中の巨星」と称賛されたが、26歳の若さで自死。没後、半世紀以上を経て、遺された手書きの童謡集が発掘され、この世によみがえった
矢崎節夫[ヤザキセツオ]
1947年(昭和22)、東京都生まれ。詩人。金子みすゞ記念館館長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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新田新一
38
金子みすゞの詩は何度読んでも良いです。一緒にボランティアをしていた女性が教えてくれました。「私と小鳥と鈴と」の一節「みんなちがって、みんないい」を誰よりも深く理解している人でした。彼女もみすゞと同じように若くして亡くなりました。どうして良い人は早く死ぬのだろう、とこの本の金子みすゞの年譜を見ながら思いました。でも詩を通して伝わってくる金子みすゞの優しさは、消えたわけではありません。「積もった雪」に書かれたような深い優しさは、日本人の心の拠り所として、これからも読み継がれていくでしょう。2025/09/21
あきあかね
34
眼差しの転換。詩というものは元来、普段見慣れたものを、新たな視点で捉え直すことで生まれるのだろう。とりわけ、金子みすゞの詩には、自分以外の力弱きもの、苦しい立場にあるものにそっと光を当てる、優しい眼差しが通底している。 みすゞは、夫から創作を禁じられ、悲しい離婚の末、一人娘まで夫に引き取られることになった日、毒を仰ぎ二十六年の短い一生を終えた。世界を優しく捉える心が、辛い現実に向き合わざるを得なかったことに胸が痛むが、その作品は時を超えて、多くの傷ついた人びとを癒やし、あたたかく包み込む。⇒2020/01/23
kanata
21
みすゞについては子どもの頃、詩の好きな母が聞かされ「怖い」と感じていた。彼女が元夫から娘を守るため、一目見てはっとさせられる写真を撮り自死した年齢を超えても、彼女のような優しく伸びやかな芯は、わたしには、ない。時代が違うといえばそれまでではあるけれど、それでも彼女を羨望のまなざしで見つめてしまう自分がいる。/「土」の解説に【こっつん、こっつん、/打たれる土は、/よい畑になって、よい麦生むよ。】をどう読むかとあるが、【こっつん】から土を打つ側の想像しかできない自分に失望。もっと柔軟に読めばいいんだ。2018/02/08
りえこ
19
かわいらしい詩がたくさん。若くして亡くなられたのが惜しい。2016/04/30
neco
18
子どもの視点で世界を見たら、きっとこうなのだろうなぁ。瑞々しくて、優しくて、不思議を当たり前としない感覚。もったいなくて、すぐに読み終えることが出来なかった。詩は良い。短い言葉で、ありありと感覚を呼び覚ましてくれる。私は、今は「花のたましい」が好きだ。こんな風に生きてゆけたらと思う。2018/12/11




