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出版社内容情報
シュルレアリスム(超現実主義)を代表する画家ダリ。時計がぐにゃりと溶け、キリンが燃え、ダイヤモンドの心臓が鼓動する彼の世界では、夢と現実、意識と無意識が交錯し、これまで見たことのない景色のなかを奇妙な人々や怪物が動き回り、見る者を驚かせます。この一見、奔放なイメージがあふれる彼の絵は、しかし、実際には鋭い観察力と卓抜した素描力に基づく緻密で写実的な描写によって現実味を与えられています。そんな謎に満ちたダリの作品世界を、展覧会場でもなかなか見られない細部まで迫力ある大画面で再現、すみずみまで追い求めたのがこの画集です。楽しくわかりやすい解説とともに、生誕100年を経てなお根強い人気を保つ、ダリの真実に迫ります。
岡村 多佳夫[オカムラ タカオ]
著・文・その他
内容説明
夢幻の画家ダリのすべてが詰まった決定版画集。名画の感動と臨場感を、世界最高水準の印刷で再現。
目次
鑑賞図版(夢、眠り、幻覚;スペインの伝統―厨房画。可食的なもの ほか)
評伝 敬虔なるナルシシスト、誠実な天才
名画を読み解く『記憶の固執』
特集(ダリと映画・演劇・イベント;日本のシュルレアリスム絵画と幻視性)
巻末資料(ダリ関連年表;ダリ関連地図 ほか)
著者等紹介
岡村多佳夫[オカムラタカオ]
東京都生まれ。早稲田大学大学院文学研究科博士課程修了。東京造形大学教授。おもな研究テーマ:スペインを中心とした近現代美術史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
315
ダリは近現代の画家の中では数少ない(私にとって)興味深い画家の一人。これまでに展覧会にも足を運んだし(残念ながらフィゲラスには未だ行ったことがない。行ってみたいものである)画集も何冊か持ってもいる。この画集(岡村多佳夫・編)で注目したのは、「父の肖像」(1925年カタルーニャ国立美術館)。ダリ14歳の作品だが、まさにピカソの青の時代を思わせるのである。こうした画集を眺める時、そんなことはありえないのだが、私はこの中で1枚もらえるならどれにしようかと、ひとしきり妄想する。今回の結論は「縄跳びをする少女の⇒2023/03/07
馨
43
西洋絵画にも、ダリにも無知ですが、何となく西洋絵画の中で昔から惹かれるのがダリ。有名な時計が歪んでいる絵に釘付けになったのがきっかけです。ダリが生きた時代は戦争の渦中ということもあり、ダリから見た戦争の愚かさを描いた作品等は興味深かったです。2021/04/25
ひじり☆
6
なんだかとても不気味なのに、つい食い入るように見てしまうのはなぜだろう。タイトルもえっと言うものが多く、独特の感性。2018/09/23
白義
5
超現実というのがまさにしっくり来るダリの絵画。同時代の科学や思想の成果を貪欲に取り込みながら、それの深層をそのまま可視化させたような作品が圧倒的。幻想、とかではなく、想像力とか時代精神とか、高次元とか、それ自体の物質的な部分を絵に落とし込んだって感じ。そうしたダリの絵をいくつかのテーマに絞って紹介、イメージの奔流に連れていってくれる。それにしても、結構エロいというか、発想がおバカである。でなきゃあんなヒゲは生やせないか2012/02/26
のら
4
澄んだ空の青、それと対照的に緻密でグロテスクな題材。どうして違和感なく存在するのかなぁ? 気持ち悪い絵なのに、私には限りなく美しく見える。きっと狂人じみた行動は演技で、実は正直で純粋な人間なんじゃないかな。。。見やすくて、分かりやすくて、作りもしっかりしている画集です。「ポルト・リガトの聖母第1バージョン」が掲載されていればさらに良いのに。2015/11/29