出版社内容情報
『古事記』の全体像がよく解るビジュアル本
本書では、まず、梅田紀代志氏の細密な歴史画と簡潔なあらすじによって、『古事記』の全体像をビジュアルに紹介します。さらに、それを踏まえて、第一線の古代史学者である武光誠先生の監修と執筆により、近年の歴史学・考古学の成果を踏まえ、『古事記』執筆の意味なども含め、『古事記』とそれに関連する古代史のさまざまな謎に迫ります。
『古事記』については、近年、文学としてだけではなく、歴史書としての側面の研究も進んでいます。『古事記』は、その時の王統の正当性を示すために編まれたものであり、そこには、作為が加えられていると考えられますが、全くの虚構だと断ずるのも誤りでしょう。誇張や粉飾や辻褄合わせがあったにせよ、そのもとになる歴史的背景があったはずです。本書では、個別な「謎解き」とまとまった「章末解説」などにより、そうした問題を解き明かし、新たな『古事記』像を示します。
『古事記』の世界がよみがえるとともに、『古事記』にまつわる「謎」を読み解く楽しさも味わえる画期的な本として、入門者にも古代史ファンにも魅力的な本になっています。
第1章 創世神話の時代
第2章 国つ神から天つ神の時代へ
第3章 英雄伝説の時代
第4章 統一国家の成立へ
内容説明
『古事記』1300年、ここまでわかった古代人の心と日本の成り立ち。
目次
第1章 創世神話の時代(伊邪那岐命と伊邪那美命の二神が現れ、大八島を生み落とす;伊邪那岐命と結ばれた伊邪那美命、火の神を生んで黄泉国へ ほか)
第2章 国神から天神の時代へ(大国主神、鰐に丸裸にされた稲羽の素兎を助ける;大国主神、八十神の責め苦を受ける ほか)
第3章 英雄伝説の時代(神倭伊波礼毘古命、日向を発して東征の途につく;熊野に上陸した東征軍は、八咫烏の案内で大和へ入る ほか)
第4章 統一国家の成立へ(神功皇后、神意に従って新羅に遠征し、臣従させる;応神天皇、渡来系氏族を受け入れ、大陸の文物や技術を導入する ほか)
著者等紹介
梅田紀代志[ウメダキヨシ]
1940年生まれ。歴史画家。CM制作会社でアニメーション制作に従事したあと、イラストレーターとして独立。少年雑誌の挿絵や図鑑の標本画などを中心に活動し、その後、歴史画に転じ、図書館向け書籍、歴史資料集などを舞台に活躍
武光誠[タケミツマコト]
1950年生まれ。東京大学人文系大学院国史学博士課程を修了。現在、明治学院大学教授。文学博士。日本古代史を専攻し、歴史哲学や比較文化的視点から幅広い歴史関係の執筆を展開、日本の思想・文化の研究に取り組んでいる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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