出版社内容情報
泣き、語り、歌う。死者と対話する葬送歌。
琉球弧では亡き人への思いや別離の悲しみを即興の歌に託し、死者をあの世へと送る習慣が残っている。「♪あーはーりーど― いーやよ―――(哀れなり、父さんよ)」と、心から発する悲しみを、語りかけるように歌うさまは、まさに慟哭であり、島唄の原点ともいえる。その死者との対話こそが、残された者の喪失感を癒してゆく。 現在、事故や自殺など、納得できない死が増え、死をどう受け入れていくかが大きな課題となっている。病院での死、形式化した葬儀など、弔いの様相が変化するなか、声をあげて泣き、心ゆくまで故人と対話する場が失われつつある。奄美、沖縄、韓国・珍島の葬送歌をとおして、泣き、語り、歌い、死者とつながる祈りの世界にふれる。
内容説明
泣き、語り、歌う―亡き人への思いを即興の歌に託し、語りかけ、あの世へと送る。琉球弧の葬送歌から、時を超えて死者とつながる祈りの世界を探る。
目次
序章 風に哭く
第1章 歌の小宇宙=シマ
第2章 徳之島の“供養歌”と“哀惜歌”
第3章 沖永良部島のクォイ
第4章 沖縄諸島の葬送歌
第5章 与那国島のカディナティ
第6章 琉球弧の死生観
終章 韓国の哭きうた
著者等紹介
酒井正子[サカイマサコ]
1947年、札幌市生まれ。東京大学教養学部卒業。博士(民俗学)。文化人類学・民族音楽学(琉球弧の音楽文化)専攻。一橋大学社会学部助手、湘南国際女子短期大学教授を経て、川村学園女子大学教授
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