内容説明
日中戦争開戦から敗戦まで、戦時下の生活をいきいきと伝える雑誌広告350点。
目次
1 1937‐1941(昭和12年~16年)―日中戦争の勃発から総動員体制へ
2 1942(昭和17年)―太平洋戦争と緒戦の勝利(戦争と宣伝―世論の形成;貯蓄の奨励―貯蓄報国;戦費の調達―国債発行;時局の要請―時の立札 ほか)
3 1943(昭和18年)―悪化する戦局
4 1944‐1945(昭和19年~20年)―戦局の絶望化と敗戦
著者等紹介
若林宣[ワカバヤシトオル]
昭和42(1967)年生まれ、歴史・乗り物ライター。著書の他、雑誌やムックで航空史や歴史的乗り物に関する記事を執筆(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おおにし
9
1937年日中戦争勃発から1945年敗戦までの新聞・雑誌の掲載された広告を集めた本。最初は威勢のよい言葉が並ぶが敗戦直前の広告では、「七生報告」、「国民総特攻」などというような悲痛なスローガンが並び、とても広告とは言えないものばかり。こんな情けない広告が新聞を飾るような日本には二度となってほしくないと、戦時中の広告を眺めながらそう思った。2014/11/23
lily
3
戦時中の雑誌広告を通じて、いかに戦意高揚が図られたかがよくわかる。中には企業の宣伝はほとんどなく、スローガンだけの広告というものもある。企業が利潤追求のために、国家に迎合せざるを得なかった葛藤がにじみでている気がする。メディアのあり方を考えるきっかけになる一冊。2015/05/28
ちー@迷える子羊
2
満足の量と言えます。説明がちょっと足りないかなと思うけど、元々広告に説明などあるわけでなし、見て、時代を感じろという感じでしょうか。『パーマネント」なんて贅沢な広告も載ってた序盤、子供の貯金も『弾丸切手』とやらで搾り取ろうとする中盤、そして只でさえ足りない配給の食物を切り詰めろと、まるで根性で腹を満たせとでも言いたげな敗戦直前。デザイン自体にもゆとりがなくなってきて、一体昭和20年の春夏辺りなんてどれくらいの人が雑誌なんて読んでいたんだろうと思わされますね。鉛筆で戦うのは受験生だけでいいですよ。2012/01/14
a-park
2
戦況が悪化するにつれて次第に「広告」とかけ離れた観念的なスローガンやコピーが増えていくのが面白い2009/10/04
gorobee
1
広告は当時の生活や流行を読み取ることのできる好資料である。毎朝新聞を開けば「総動員」「屠れ米英」、雑誌を見ても「節約」「お国のために」と勇ましい。しかし戦況悪化とともに並ぶ言葉は「一億総特攻」「七生報国」・・・。 私には耐えられないが、当時の人たちにとってはこれが当たり前の日々。戦争というものは命や人々の生活、そして人権をも奪うということを決して忘れてはならない。