執深くあれ―折口信夫のエロス

執深くあれ―折口信夫のエロス

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  • サイズ B6判/ページ数 252p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784096261163
  • NDC分類 910.268
  • Cコード C0020

出版社内容情報

折口信夫は、生前、ひたすら女人とのふれあいをさけたという。しかし、その陰には「執深く」思いをよせる女流歌人・稲穂生萩の姿があった。いまなお追慕してやまぬ女流歌人が語る折口信夫の素顔と情念の世界。

 こりこりと 乾きし音や 味もなき 師のおん骨を 食べてたてまつる 師とは、いうまでもなく、折口信夫のことで、作者は、女流歌人・穂積生萩さんである。折口信夫に女人の歌の弟子があり、しかも、骨まで食べたという。 折口信夫は、生前、ひたすら女人とのふれあいをさけたという。その折口信夫の人間を知るには、「男」たちの証言を聞くより、「女」たちのくどきに耳を傾けるほうがよほど実りがあるかもしれない、そう思った山折哲雄氏の発想から、この対談が誕生した。 「私の一生は折口信夫の一生なんです」「いまだって死んだ人(折口信夫)を追っかけているのです」「(私と師とは)肉体を除いた合体願望がお互いにあったかもしれません……互いに憑依したい性愛と思います」。 一見センセーショナルにみえるこうした発言も、生萩さんの口から語られる「執深き人」折口信夫のエピソードを読み進むうちに、むしろ透明で清楚にさえみえるから不思議である。本書は、学者・折口信夫と歌人・釈迢空のあわいに秘められた情念の世界をかいま見させてくれる希有の書と言える。「愛の人・折口信夫」併載。

目次

1 穂積生萩さんのこと―まえがきにかえて
2 執深くあれ(対談)(穂積生萩・山折哲雄)
3 愛の人・折口信夫
4 歴史の深層へ、そして心の深層へ

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

うえ

6
「マルクスのよく知られた論文に「ブリュメール十八日」というのがあります。その冒頭のところでかれは、歴史には同じことが二度おこる。一度は悲劇として、二度目は喜劇として、といっています。…二度目の喜劇というのは、折口流にいえば「もどきの喜劇」ということですね。しかしマルクスと折口がちがうところは、マルクスがその「二度目の喜劇」を否定的にとらえているのにたいして、折口の方はそれとは逆に、むしろ「もどき」のあり方を肯定的にとらえようとしている…折口のいう「もどき」というのは…一種の「批評」であり「批判」である。」2020/04/23

はなうさぎ

1
穂積生萩に惹かれて読んだ本。穂積生萩は歌は折口信夫に、能は後藤得三に習ったという人。うらやましすぎる。以前、同じ著者の後藤得三についての本を読んで興味を持ったが、その時は他の著作を手に入れられなかった。この本は、二人の著者の対談パート、穂積生萩による釈迢空の歌についての文、山折哲雄の講演採録の三部に別れる。対談では生臭い話もたくさんあり「そういうふう」にも読めるが、それ以上に、穂積生萩の師への尊敬と愛情、折口信夫が大変恐ろしくも魅力的な人であったと感じさせられる。2014/10/18

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