- ホーム
- > 和書
- > 芸術
- > 絵画・作品集
- > 絵画・作品集(西洋)
出版社内容情報
キリストは何かを語っていた。ユダの目はキリストをとらえていた。食卓の上のメインディッシュは魚料理だった。大がかりな修復の結果、レオナルドの傑作『最後の晩餐』が数々の新発見とともに色鮮やかに甦った!
片桐 頼継[カタギリ ヨリツグ]
著・文・その他
内容説明
二十年前に始まった『最後の晩餐』の修復結果を見て、著者はあらためて、というよりも初めて『最後の晩餐』がどういう作品だったのかを知った。さまざまな新事実を見せられた感動と驚き、そして戸惑い。本書は、修復の結果判明した最新の情報をしっかりとまとめたものである。
目次
復活する『最後の晩餐』(イエスの口は開いていた;イエスのこめかみに釘痕を発見;ユダの目はイエスをとらえていた ほか)
20世紀のテクノロジーが『最後の晩餐』を再現(デッサン画を元にした再現作業;テーブルクロスの柄を再現してみると;テーブルクロスの結び目のこだわり ほか)
『最後の晩餐』を知ると、キリスト教が見えてくる(「最後の晩餐」とはどのような出来事だったのか;晩餐図はレオナルド以前にもたくさん描かれていた;レオナルドの解釈による「最後の晩餐」 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
クラムボン
10
修復前の《最後の晩餐》は壊滅的状態。中野京子さん曰く「この絵は近々この世から完全に消滅する。」《壁画》は顔料をシッカリ壁に浸透させながら描くらしい。しかし表現と効率を優先した為、完成直後から劣化が始まる。その都度、修復され続けオリジナルは消えかけた。そして今回の修復だ。まずは過去の修復家の加筆部分を完全に除去、原画の痕跡が無い場合のみ現状維持とした。著者の片桐頼継さんはNHKの特集番組の監修も担当し、20年以上の修復と研究の成果を紹介する。番組用に作られたCGによる再現画ですが、これが最大の見ものです。2021/10/11
スルメ
5
最後の晩餐がズームアップされて載っていて細かいところまで知ることができました NHKがCGで再現したやつすごかったです 鮮やかでした ダヴィンチは作品にいろんな仕掛けをしているのでいつまで見ても飽きないんだなと思いました2018/02/25
まるまり亀
3
明日からミラノを拠点に3週間の北イタリア周遊へと旅立ちます。・・・✈ レオナルドダビンチ作の「最後の晩餐」鑑賞チケットも難関クリアして入手! その事前予備知識として一読しました。 壁面に描かれるも、ダビンチ亡き後に再三の画家たちによる気ままな手直し・・ オリジナルには程遠いお姿を現代技術駆使して再現させる過程が伺える。 多々ある参考文献ではダントツで理解しやすくてためになりました。たった15分の制限見学時間。 じっくりと見学してこよう👀2025/05/12
がらす
3
長期保存に適さない画法が使われたため傷んでしまった名画『最後の晩餐』。修復の結果浮かび上がってきた事実が、ふんだんな資料とともに解説されています。テーブルクロスの結び方ひとつにまでこだわる、レオナルドの徹底した写実主義に驚かされました。2020/01/13
Hiro
2
名画最後の晩餐の、画期的と言われる、20世紀末の修復作業を解説し、今日見られる名画の様子を豊富なカラー写真を使って紹介している。20年前の本だが最後の晩餐のことが一通り分かる、コンパクトな一冊。修復の成果はNHKスペシャルで20年前に放映もされたと言う。特筆すべきはレオナルドが完成した当時の色鮮やかな画面をCGで再現した画像が本書82、3ページにあることで、他にも別の本や番組で見られるのかもしれないが、やはり実に興味深い。コロナ禍も過ぎたし、これからの念願のイタリア旅行の楽しみの一つがまさにこれ。2023/05/11