出版社内容情報
シンプルで深遠なイスラーム美術の全貌を体系的に紹介する。
東は中央アジア、インドから、西はスペイン、北アフリカまで、広大な領域に広がるイスラーム世界。それは、風土のまったく異なるさまざまな地域に生きるさまざまな民族によって織りなされた多様性、複雑性と、イスラームという共通の価値観に基づく単一性を合わせもつ、めくるめくアラベスクである。本巻では、そのようなシンプルで複雑なイスラームの世界が生み出した美術の全貌を網羅するため、中近東・北アフリカ諸国を中心に幾多の現地取材を敢行。メトロポリタン美術館(米国)、ベルリン国立博物館、大英博物館、エルミタージュ博物館(ロシア)等の欧米諸国の博物館のみならず、トプカプ宮殿博物館(トルコ)、イラン・バスタン博物館、シリア国立博物館、クウェート国立博物館等が所蔵する工芸品、細密画などの名品の数々の貴重な影像や、スペイン、イラク、イラン、モロッコ、チュニジア、シリア、エジプト、トルコ等の各地に散在する華麗で荘厳なイスラーム建築の最新映像を含む豊富なカラー図版を収録。近年、進境の著しいイスラーム美術研究の成果をふんだんに取り入れた解説で、体系的かる平易に紹介する。
杉村 棟[スギムラ トウ]
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
105
世界大美術全集東洋編最後の第17巻でイスラムの美術品が掲載されています。絵や建物などカラフルで細密画のような感じです。建物も細かいモザイクタイル様式でアルハンブラ宮殿を見たときの印象などがよみがえってきます。投機やガラスの器なども素晴らしいものがあります。最近の状況はあまり知りませんが昔の頃はやはり権勢がすごかったであろうことを思い起こさせてくれます。2017/01/05
アルクシ・ガイ
3
写真のみ。意外と写実が多い。でもそっちは「よそ」に任せて、イスラムはひたすら幾何学してほしい。2015/08/01
へんかんへん
1
岩のドームのモザイク、八角形銀盤、ラスター彩鳥文壺、コルドバの大モスク、ミンバル、風格あるなと、星形タイル、イスラームの悪龍善龍、天球形香炉、写本の装丁、2015/02/25
Eu
0
サファヴィー朝絵画がすばらしい。 西洋美術と日本&東アジア美術の二本柱で進められる美術史のなかでは抜け落ちてしまいがちな分野だけど、もっと広く関心を集めてほしいなぁと思う。研究者の先生方に感謝。2020/07/25