出版社内容情報
足るを知って簡素に甘んじることを説いた中国の清貧思想の書、「菜根譚」の精神を、仏教、特に禅宗に造詣の深い著者が該博な知識と人情に通じた軽妙洒脱な口調で解説した随想集。
「菜根譚」の題名は、毎日の生活を菜っ葉や根菜を中心とした質素なものでしのげるならば、何事をも成し遂げられよう、というほどの意味に由来しています。 中国・明代に生きた洪自誠(こうじせい 経歴不詳)という人が、欲望をコントロールして簡素な生活に甘んじ、ひたすら精神の修養に努めるべきことを説いた随想集です。いわば中国版の清貧思想の書といってもよいでしょう。そこには、儒教の教えや老荘・禅の思想がバックボーンとして存在しています。 人生に迷ったとき、人生に疲れたとき、人間がわからなくなったときに繙いてもらう本です。必ずや、励まし、助言を得ることができると思います。 人生をあくせくすることなく、もっと自由に自在に生きるには「足を知る」ことだと説かれているのですが、その「足を知る」ための知恵が横溢した本なのです。 この「菜根譚」を解説した著者は、仏教、特に禅宗に造詣の深い人です。その博覧強記ぶりもさることながら、世態人情に通じた軽妙洒脱な解説は、一巻の思想書を見事に喝破したといえましょう。
内容説明
人間に迷ったとき!人生に疲れたとき!人生がわからなくなったとき!助言と励ましを与えてくれる中国の清貧思想。仏教の碩学が軽妙洒脱に解説。
目次
清廉な心を持ち、能力・器量をひけらかさず
権勢や利益に靡かず、技巧を学んで技巧に溺れず
平時に有事を思い、有事には平常心
誘惑は心の翳り妄想は錆、取り去ればやがて自在の境地
世の中を渡るには、常に一歩を譲る心が大切〔ほか〕