内容説明
平凡な会社員の男が、幼なじみの女と20年ぶりに再会した。2人は恋仲になり、男は彼女のもとへ通いつめるが、やがて、彼女の子どもが自分に殺意を抱いていると感じはじめる。6歳の子どもに殺意はあるのか?男の潜在的な過去の記憶から広がる心理サスペンス。
目次
映画の眼差し
あらすじと登場人物
連載 製作現場からTAKE10 俳優加藤剛にきく製作秘話
物語の舞台 港北ニュータウン
特集 団地、ニュータウンの登場
連載 清張幻影第10回 子供の姿に過去の自分を見た男―「影の車」(川本三郎(作家・評論家))
スタッフ紹介―監督・脚本・音楽・撮影・出演者
そのころの日本 昭和45年―映画の背景と昭和の風俗
連載 道はどこまでも第10回 清張の実像(藤井康榮(松本清張記念館館長))
清張誌上検定・松本清張記念館便り
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぐうぐう
30
『影の車』収録「潜在光景」の映画化。短編を2時間前後に映像化する場合、登場人物やストーリーに肉付けできる利点がある。その利点を、脚色担当の橋本忍が最大限に発揮しているのが嬉しい。特に、原作では軽く扱われている主人公の妻の生活を嬉々として描いているのが面白い。主人公に加藤剛、その妻が小川真由美、主人公と不倫する女性に岩下志麻と、キャスティングも実にいい(ちなみに、本作から8年後、妻と愛人という関係性を逆転させた配役で小川と岩下は『鬼畜』でまた共演することになる)。(つづく)2023/04/04