出版社内容情報
立川談志はこんなにも素敵な落語家だった!
昭和五十年代、料理評論家以前に落語評論家として活躍していた著者は、談志の「文七元結」に衝撃を受ける。
金をやろうかやるまいか逡巡する長兵衛に江戸っぽさを超えた人間そのものの姿を見たからだ。その驚きを当時連載の朝日新聞「寄席だより」に書いたことがきっかけで談志と会う機会を得た。
「談志師匠は(中略)楽屋で畳に座っていた。僕が立って入っていくと、畳に頭をすりつるようにしてお辞儀をしたんですよね。僕は、それでいっぺんに好きになってしまいました。こんなにお辞儀の丁寧な落語家がいるのかと思って」。
談志をこよなく愛してきた著者が語る天才噺家の凄さと魅力。
【編集担当からのおすすめ情報】
著者の山本益博氏は、今では料理評論家として有名ですが、50代以上の世代にとってはむしろ落語評論家とし知られた存在です。
大学の卒業論文として、5代目古今亭志ん生とともに昭和の名人のひとりと称された桂文楽(8代目)について書いた『桂文楽の世界』はそのまま商業出版され当時話題となりました。
20代後半から著者は朝日新聞の夕刊に「寄席だより」という連載コラムを持ち、特に頻繁に落語を聴きに寄席やホールに通っていたのが昭和50年から54年で、そのころ大学ノートに「落語はどんどん新しくなってゆく」というタイトルをつけて、落語家ごとに詳細なメモをとっていました。それはあくまでも新聞や雑誌の記事や口演記録を書くための下書きのためのものでしたが、それ故に、一般的な速記本や録音には収録されずじまいの、客と落語家のやり取りなども克明に記録されています。とりわけ「立川談志」ノートには、定席の寄席でしばしばおこるヤジに対しての談志の反応が一々記されています。そしてそれは人間・談志師匠を知るためのヒントでもあります。
本書ではその貴重なノートを第3章に収録しました。
[まえがきにかえて] 幻の志ん朝・談志二人会
[第一章] 誰よりも何よりも落語を愛す
[第二章] 「文七元結」をめぐって
[第三章] 落語ノート・昭和五十一年?五十三年
[第四章] 天才落語家とその素顔に魅せられて
[第五章] 落語「やかん」と談志の「やかん」
わたしが聴いて選んだ〈談志十八席〉
文庫版のためのあとがき
山本 益博[ヤマモト マスヒロ]
内容説明
談志をこよなく愛してきた著者が語る天才噺家の凄さと魅力。
目次
まえがきにかえて 幻の志ん朝・談志二人会
第1章 誰よりも何よりも落語を愛す
第2章 「文七元結」をめぐって
第3章 落語ノート・昭和五十一~五十三年
第4章 天才落語家とその素顔に魅せられて
第5章 落語「やかん」と談志の「やかん」
わたしが聴いて選んだ“談志十八席”
著者等紹介
山本益博[ヤマモトマスヒロ]
1948年4月11日生まれ。東京都出身。早稲田大学第二文学部演劇学科卒。落語評論家、料理評論家。国立劇場小劇場の第五次落語研究会で桂文楽(八代目)の落語を体験。大学の卒業論文はそのまま『桂文楽の世界』として商業出版される。この論文は現在でも桂文楽研究の最高峰。2013年には『名人芸の黄金時代―桂文楽の世界』と改題されて、中公文庫より出版される。KTVの演芸番組「花王名人劇場」ではプロデューサーを務めていた。テレビ朝日「ザ・テレビ演芸」の「飛び出せ!笑いのニュースター」コーナーでは審査員としてダウンタウンらを審査(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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