小学館ライブラリー
妖怪学新考―妖怪からみる日本人の心

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  • サイズ A6判/ページ数 299p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784094601329
  • NDC分類 388.1
  • Cコード C0339

出版社内容情報

科学文明が浸透した現代にあって、人々は妖怪の存在を否定しながらも心のどこかでそれを認めている。心の不安や恐れから人間が作り出した妖怪と、それを信じる心を考察し、日本人の心のあり方を探求する。

 民俗社会には数多くの妖怪や魔(生霊・怨霊・呪詛・憑きもの)あるいは異界に棲む多くの妖怪たちが活動しています。多くの子どもたちを恐怖させた口裂け女の騒動もまだ記憶に新しいところです。科学文明が現代社会に生活する人々に浸透しているにもかかわらず、こうした怪談を生み出す心性を日本人は今日なお持ち続けています。妖怪や魔を究明することは、この母胎である民俗文化の仕組みや民俗的思考様式を探ることであり、古代から現代にいたる日本人の生き方に触れることを意味しています。 本書は、民俗社会に生き続けてきた数多くの「妖怪」や「魔」を体系的に把握、探求しつつ、現代の生活空間の中で隠されている空間──「闇」の領域から解明し、日本人の心のあり方を探求します。

内容説明

人々が不安や怖れから逃れられず、心に「闇」を抱きつづけるかぎり、妖怪は生きつづける。妖怪を明らかにする試み…、それは現代社会と日本人の心を明らかにすることでもある。妖怪研究の第一人者による刺激的妖怪論。

目次

はじめに 新しい妖怪学のために(妖怪学とはなにか;妖怪学の三つの潮流;柳田国男の妖怪学;柳田以降の妖怪学)
第1部 妖怪と日本人(妖怪とはなにか;妖怪のいるランドスケープ;遠野盆地宇宙の妖怪たち;妖怪と都市のコスモロジー ほか)第2部 魔と妖怪(祭祀される妖怪、退治される神霊;「妖怪」の民俗的起源論;呪詛と憑霊;外法使い―民間の宗教者 ほか)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

たろーたん

2
妖怪学には2つあり、1つは近代以前の迷信である妖怪を科学で説明するもの、もう1つは妖怪の存否は棚上げし、なぜ人々によって妖怪が語れるのか、現れるのかを民俗学的に考えるものである。本書は後者に属しており、著者は、イーフー・トゥアンを取り上げながら、暗がりのような不安や恐れを抱くような「闇」がある場所には妖怪が現れる/見えると言う。また、不思議な現象が起きた場合の説明として妖怪(神)が現れることもある。現在は、近代化により闇が駆逐された分、妖怪なるものは少なくなっているが口裂け女等の都市伝説として現れている。2018/02/17

眉毛ごもら

1
再読。妖怪学の権威である著者の妖怪学の概論である。入門編の妖怪異聞録と違いガチッとしてる。日本人は何をどこをどういうときに妖怪が出現すると考えたのかというのがメインテーマである。鬼ともののけと化け物と幽霊と神との違い、妖怪だったものが神になったり神だったものが妖怪になる事例は面白い。敵対するものにとっては相手の神は妖怪と変わらないところとか。仏教や陰陽道が妖怪退治をする過程で使った呪法が間接的に妖怪や憑き物を作り出したりとか。差別と関係するのでこのご時世調べるの大変そうなので収集なんとか間に合って欲しい。2020/10/08

青緑ねこめし

0
資料用。2012/01/12

traum

0
妖怪入門の必須本。2007/10/18

三柴ゆよし

0
妖怪好き必読。2008/06/28

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