出版社内容情報
戦争や事件・流行や映画など世相と文学との関わり、作家の生き方、文庫と新書や週刊誌の盛衰など出版界の動向…。さまざまな角度から昭和文学を見て選んだ19のテーマについて、5人の研究者や評論家が執筆した昭和文学の「周辺史」と「裏面史」。
「昭和」の時代が終わって10年たった今、昭和の文学の世界を振り返る。しかし、作品の評価や文壇の動きを書いた、いわば正史の昭和文学史ではなく、戦争や事件・世相と文学との関わり、作家の生き方や出版界の動きなど、文学にまつわる種々相を描いた、昭和文学の「周辺史」であり、「裏面史」だ。 例えば「昭和の事件と文学」「作家の死と文学」「社会面から見た文学史」「流行語と文学」「昭和の同人雑誌」「文庫と新書」「ベストセラーの様相」「懸賞小説と作家」「週刊誌の盛衰」「映画と文学」など、さまざまな角度から昭和文学を見て選んだ19のテーマについて、5人の研究者や評論家が執筆している。 芥川龍之介・三島由紀夫・川端康成の自殺、太宰治の情死、小林多喜二の虐殺、また「太陽の季節」の芥川賞受賞の衝撃、谷崎潤一郎の佐藤春夫への夫人譲渡など話題はつきない。まだ我々の記憶に残っている昭和文学の身近な出来事、作家の生きざまや出版界の動向についてのよもやま話は、文学ずきの読者の興味を大いにかき立てることだろう。
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