出版社内容情報
仇討ち、駆け落ち…。流通と情報の中心地・大坂に伝わってきた、津々浦々の町人たの悲喜劇を、独自の視点で描いた西鶴の傑作を現代語訳で紹介。
●目次 作品紹介 西鶴諸国ばなし 巻一 巻二 巻三 巻四 巻五 鑑賞のしおり 西鶴の笑い ■西鶴時代の貨幣価値と現代の比較
内容説明
日本中の物資が大坂に集まるようになると、それにともない、地方の情報も大坂に集まった。落語のネタにもなった生き生きとした江戸庶民の数々の話を、西鶴研究の第一人者が現代語訳でやさしく紹介。
目次
西鶴諸国ばなし
鑑賞のしおり―西鶴の笑い
西鶴時代の貨幣価値と現代の比較
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
gelatin
5
★★★★ 出張先でたまたま話題に猿塚が出て、読みたくなってアマポチ。現代語訳に日和りました。太宰がかなり西鶴をお気に入りであれこれリライトしているのと読み比べると、誤訳のないよう几帳面に訳してあるせいで(学者が訳しているからね…。)、文学的な味わいは減じるものの、読み溢しはなかったと思います。遠野物語の原型のような怪異譚とも教訓譚ともとれる不思議な出来事の数々が淡々と綴られていて、非常に面白うございました。2017/10/22
:*:♪・゜’☆…((φ(‘ー’*)
1
太宰の「お伽草紙」を先に読んで、元ネタであるこの話を読みたくなった。なんとシンプルな!それでいてとっても情景が浮かんでくるのはさすが。この骨格に太宰は自分の想い、気持ちをこってり盛り付けてマッチョな仕上がりにしたのだなあと思った。この本は古語ではなく現代語訳、しかも小学生にでもわかるような解説付きなので、とても助かった。話に出てくる地名もよく知っている所ばかりなので今の様子に過去の話を重ねて読んだりしてずいぶんと楽しめた。2016/09/10