出版社内容情報
倹約を勧め、才覚を褒め、悪徳を否定する元禄時代の町人たち。カネにまつわる成功談と失敗談を、原文のリズムを生かした読みやすい現代語訳で紹介。
●目次 作品紹介 日本永代蔵 巻一 巻二 巻三 巻四 巻五 巻六 鑑賞のしおり 近世前期 上方の経済 西鶴時代の貨幣 西鶴に学ぶビジネスマンの倫理 海江田万里
内容説明
井原西鶴の描いた江戸時代庶民層の経済感覚は、実にはつらつとしていて、現代でも学ぶべきことが多い。没後三百年、西鶴の評価があらためて上がる時、西鶴研究の第一人者が平易な現代語訳でおとどけします。
目次
作品紹介
日本永代蔵
鑑賞のしおり(近世前期 上方の経済;西鶴時代の貨幣)
西鶴に学ぶビジネスマンの倫理
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
:*:♪・゜’☆…((φ(‘ー’*)
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諸国話や置土産ほどワクワクしなかったのは昔の商いの話だったからか。どんなことをしてでも生きていけるんだなあと思った。貧病に効く長者丸の処方「早起き5両、家業20両、夜業(よなべ)8両、倹約(しまつ)10両、健康7両の50両」そして大事な毒断ちとして美食好色などなど「口に出しても心に思ってもいけません」という数々の項目。それだけ慢心によって身持ちを崩してしまう商人が多かったのだなあと思った。2016/10/01
yasu938
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2021年70冊目。1687年の執筆。カネがカネを生むと西鶴が表現した時代の経済小説。いかに長者になるか、いかなる長者であるべきか。現代にも通じることが多い。2021/05/09
禿頭王
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「倹約の神様のお告げどおりに働いて金銀を溜めるがよい」「金銀にまさる宝のあろうはずはない」「早起き五両・家業二十両・夜業八両・倹約十両・健康七両」「何事も身についてしまうと、どんな悪事でも自分ではそれとわからなくなってしまうものだ」「この世でなくてはならぬ物は金だ」人間とお金にまつわる金言が随所にちりばめられている。現代語訳もとても読みやすい。2020/01/01