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出版社内容情報
その純愛さえも、歪む。
これは、誰がための試練なのですか。
勝ち気で誰よりも『女の子であること』に真摯な少女、九重彩音。
気弱だけど少し意固地な少女、桜庭真白。
ふたりは、ミッション系中高一貫校、清葉女学院の片隅で密かに想いを育んでいた。
彩音は真白の声を、真白は彩音の香りを、一番に愛していた。
ふたりの世界にはふたりしかいなかった、他の誰もいらなかった。
真白は天性の歌声を持ち、彩音は真白の為にアコースティックギターで音を紡ぐ。
揃いの香水を纏って、ストリートライブをおこなうふたり。
その日も、いつも通りに終えて、いつも通りに学院に帰るはずだったのに。
真白が倒れた。
告げられる無慈悲は、一体誰が望んだのか。
「〝特発性性転換現象〟」
「桜庭真白さんは遠からず、生物学的な男性になるんです」
世界は変わる。
変わりたくないと願う想いすら、逃れ得ぬ渦に巻き込んで。
その純愛さえも、歪む。
【目次】
内容説明
主よ。これは、誰がための試練なのですか―。勝ち気で誰よりも“女の子であること”に真摯な少女、九重彩音。気弱だけど少し意固地な少女、桜庭真白。ふたりは、ミッション系中高一貫校、清葉女学院の片隅で密かに想いを育んでいた。彩音は真白の声を、真白は彩音の香りを、一番に愛していた。ふたりの世界にはふたりしかいなかった、他の誰もいらなかった。ある日、真白が倒れた。医者から告げられる無慈悲は【特発性性転換現象】。真白は遠からず、生物学的な男性に変わる。ここから二人の世界は変わる。その純愛さえも、歪む。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
21
勝ち気で誰よりも『女の子であること』に真摯な九重彩音と、気弱だけど少し意固地な桜庭真白。他に誰もいらなかった2人の関係に試練が訪れる青春小説。ミッション系中高一貫校、清葉女学院の片隅で周囲を寄せ付けず、密かに想いを育んでいた2人の関係に波紋を投げかけずにはいられない、真白が直面する思ってもみなかった事態。2人の尊い関係を見守ってきた周囲の人たちの協力を得て変わろうとする真白、そしてずっと見守ってきた彩音の葛藤と心からの叫びがあって、紆余曲折の末に共に過ごしてきた2人が見出した結末がとても素敵な物語でした。2025/08/20
真白優樹
8
ミッション系の学校で思いを育む、孤高の少女とのんびり屋の少女の関係が、性転換現象を機に歪んでいく物語。―――残り香は誰も救わず、救いとなるのは神ではなく。 変わりゆく性別、歪んでいく思い。信仰、というのが根底にある中でそれぞれの葛藤と心の叫びが響いている物語であり、ずっしりと重めな読み応えのある物語である。残り香を越え、また感じて。そして求めていく、新たな関係。変わってしまったとしても新たに作っていくプロローグの先、二人に幸せがありますように。その先に未来在りますように。 うん、面白かった。2025/08/23
とってぃー
8
九重彩音と桜庭真白のふたりだけの世界、真白の特発性性転換現象で変わるふたりの物語。依存や衝突、諦観などをこれでもかとぶつけられた。性が交わると本当に難しくて、安易に言葉を紡げない…。その中で完結まで描いた作者様の何でも頼るという気概をとても感じた。『ミドルノートにさよなら』は、ラストを読むとこのタイトルこそがふさわしいと感じると思う。また、作中のとあるキャラの行動がなぜと思う部分があるのですが、これはネタバレ厳禁な事実を読んで実感して欲しいな。2025/08/21
椎名
7
作者買い。性転換という題材だけでなく、音と香りという文字媒体では想像させることしかできない二つを中心にやっているのが挑戦的だ。表紙から抱く雰囲気は静謐で、二人だけの世界を築き上げている姿は想像通りのものだったが、二人だけの世界で完成できるほど世の中も人生も甘くないのだと感じさせられてしまった。性転換というわかりやすい形だけでなく、全ての物事には時間経過に伴う変化がある。それをどう受け入れていくか、またその中で何を信じるかでしかない。誰もが眉を顰めたはずの「欲しい言葉」を叫んだシーンは痺れた。2025/09/01
leo18
5
百合ものかとおもいきや。性転換ものにもいろいろあって、これは割とシリアスに向き合ったリアル寄りな内容。テーマ性や作品にこめるパワーはすごいが、ちょっと感性が合わないなという部分も。ラストそう落とすのかあ。2025/08/29
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