ガガガ文庫<br> 夏へのトンネル、さよならの出口

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ガガガ文庫
夏へのトンネル、さよならの出口

  • 八目 迷【著】
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  • 小学館(2019/07発売)
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  • サイズ 文庫判/ページ数 326p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784094518023
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

時空を超えるトンネルに挑む少年と少女の夏

「ウラシマトンネルって、知ってる? そのトンネルに入ったら、欲しいものがなんでも手に入るの」
「なんでも?」
「なんでも。でもね、ウラシマトンネルはただでは帰してくれなくて――」
海に面する田舎町・香崎。
夏の日のある朝、高二の塔野カオルは、『ウラシマトンネル』という都市伝説を耳にした。
それは、中に入れば年を取る代わりに欲しいものがなんでも手に入るというお伽噺のようなトンネルだった。
その日の夜、カオルは偶然にも『ウラシマトンネル』らしきトンネルを発見する。
最愛の妹・カレンを五年前に事故で亡くした彼は、トンネルを前に、あることを思いつく。
――『ウラシマトンネル』に入れば、カレンを取り戻せるかもしれない。
放課後に一人でトンネルの検証を開始したカオルだったが、そんな彼の後をこっそりとつける人物がいた。
転校生の花城あんず。クラスでは浮いた存在になっている彼女は、カオルに興味を持つ。
二人は互いの欲しいものを手に入れるために協力関係を結ぶのだが……。
優しさと切なさに満ちたひと夏の青春を繊細な筆致で描き、第13回小学館ライトノベル大賞のガガガ賞と審査員特別賞のW受賞を果たした話題作。

【編集担当からのおすすめ情報】
第13回小学館ライトノベル大賞で、異例の「ガガガ賞」と「審査員特別賞」W受賞! 審査員・浅井ラボ先生(『されど罪人は竜と踊る』)をして「そうか、才能ってこういうことか」と言わしめた驚異の新人がデビューします。イラストを手掛けるのは、幻想的で美しい情景が人気の若手イラストレーター・くっか氏。
夏の田舎町を舞台に、高校生の男女が時空を超えるトンネルに挑む、切なさに満ちた恋と青春の物語。『君の名は』『時をかける少女』『サマーウォーズ』など、青春SFの名作たちと並び称されるような、いつまでも心に残り続ける小説の誕生です。

内容説明

「ウラシマトンネルって、知ってる?そこに入れば欲しいものがなんでも手に入るんだけど、その代わりに年を取っちゃうの―」。そんな都市伝説を耳にした高校生の塔野カオルは、偶然にもその日の夜にそれらしきトンネルを発見する。―このトンネルに入れば、五年前に死んだ妹を取り戻すことができるかも。放課後に一人でトンネルの検証を始めたカオルだったが、転校生の花城あんずに見つかってしまう。二人は互いの欲しいものを手に入れるために協力関係を結ぶのだが…。かつて誰も体験したことのない驚きに満ちた夏が始まる。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

海猫

187
ライトノベルとして面白く読んだ。そしてライトノベルとしての枠組み以上に良質なジュブナイルSFの味わいが強く、印象に残る。ウラシマトンネルを高校生なりに考えて、実験を重ねていくあたりはSF的に面白いが、主人公とヒロインが近づいていく過程としても、みずみずしく読ませる。登場人物の少年少女らの心情が青いのが甘酸っぱいし、背負った身上にも気持ちが入った。なので主人公がウラシマトンネルを駆けていくクライマックスが切実。イラストが控えめながらも、効果的な配置。この手の青春SFは夏に読むのが気分としてピッタリくる。2019/07/26

ちびbookworm

135
青春・SFもの。映画原作。audible. 地元の都市伝説、「ウラシマトンネル」を偶然見つけてしまった塔野。転校生の女の子と一緒に探索することになる。◆イントロからグイグイ読ませます。最初の高校生活編は破天荒すぎて唖然。あんずとのトンネル調査編は少し面映いけど、ワクワクハラハラし、後半の探索編は、少し怪奇色が出てきて、面白かったです。もっと読みたかった。全3巻くらいにして欲しかった。メッセージ性、エンタメ性も強く、大人も読める良作。 オーディブルだからか、よけい臨場感あってよかった。2023/05/03

芳樹

127
そこに入れば自分の時間と引き替えに欲しいものが手に入るというウラシマトンネルを舞台装置として、亡くなった妹を取り戻したい主人公のカオルと、特別な何かになりたいヒロインのあんずが織りなす物語。切なさと甘酸っぱさに満たされた青春ラブストーリーといえるでしょう。夏にぴったりで情景が目に浮かんできます。2人の未来が明るいことを願います。本作は作者のデビュー作とのことで、このように素敵な小説を書く作者の次回作も楽しみです。2019/07/27

かんけー

70
読了♪夏のこの季節に相応しいジュブナイルSF!塔野カオルは平凡な高2生。ちょっと違うのは妹のカレンを心残りにする心傷だけで?川崎さんと花城の出会い形が強烈過ぎて苦笑(^_^;)たまに出てくる(ごめんねw)友人の加賀も良い感じのモブキャラで♪ウラシマトンネルと言う都市伝説をコアに据えて、カオルと花城?そして妹のカレンを取り戻そうと?形振り構わず突っ走るカオルの心根が痛く伝わって!両親との訣別描写は凄まじいが全てはカレンの為に?花城との関係は多少の突っ込み処も在るがそれはヤボってもの(^_^;)→2019/08/03

まりも

67
これは忘れ物をした少年と少女の出会いと成長を描いた物語。良い、すごく良い。ひと夏という限られた時間、青春の甘酸っぱさと切なさ、主人公とヒロインの心の揺れを青々と描いた様、ウラシマトンネルという舞台装置を見事に活かした展開。これら全ての要素が素晴らしく、これ以上ないくらいに読者の心を惹きつける魅力に満ち溢れている。特に甘酸っぱい恋模様とウラシマトンネルでの出来事、そこからの場面転換が本当に巧い。大人になる前でもなってからでも心に突き刺さる。そんな日本を代表するジュブナイル小説でした。この作品を読めて幸せだ。2019/07/28

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