ガガガ文庫<br> 隣人は真夜中にピアノを弾く

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ガガガ文庫
隣人は真夜中にピアノを弾く

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  • サイズ 文庫判/ページ数 307p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784094514391
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

この世界には悪魔が“隣人”として存在する

バーで出会った男は、私の身の上話を聞きたがった。
そして私は、その男……悪魔に魂を売った――。

何者かの手によって一人の“悪魔”が殺された。その事件を調査すべく、とある寂れた町へと派遣されたバド。そして、その相棒となる男の名はリッチ、彼は正真正銘の悪魔だ。悪魔たちは人間社会を基盤にその中に溶け込み、彼らなりの法を順守しながら“隣人”のように存在している。その法を逸脱した者を取り締まるのが監査官の役目だ。死んだ“悪魔”の関係者たちと接触し事件の真相を追うバドとリッチの前に、悪魔狩りを行う秘密結社「清装局」が立ちふさがる……。“悪魔に魂を売った男”と“悪魔”という立場上相容れないコンビが魅せるサスペンス・ハードボイルド。

「武装神姫」の世界をハードボイルドタッチで描き切ったノベライズシリーズ(『武装神姫 LOST DAYS』ほか)が、高い評価を受けた著者・陸凡鳥渾身のオリジナル・ハードボイルド作品。

内容説明

出会った男は悪魔だった。彼は私に言った。望みを叶えてやろうと―。ひとりの男が殺された。“悪魔”だと名指しされたその男の死について調べるため、とある街へと派遣されたバド。同僚のリッチとともに、不可解な殺人事件に関わっていくうち、彼らは仕掛けられた罠にはまり込んでいく。悪魔に魅入られた権力者、悪魔と関係する女、さらには悪魔を狩る組織…。人間社会に寄り添い、『隣人』として生きる悪魔たちには厳しい掟があった。契約に縛られた元人間の悪魔の生き様を描くサスペンス・ハードボイルド。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

あなほりふくろう

22
喪失がハードボイルドにおける欠かせないテーマであるなら、泥臭さ人間臭さはハードボイルドに必要な味付けだと思う。悪魔というガジェットを取り入れながらスタイリッシュに走りすぎることもなく泥臭さ、人間臭さも盛り込んで、きちんと作法を弁えた佳作だった。展開も衒いなく若干のライト感を感じるがこれ以上描き込んだら、いかなガガガとはいえ完全にカテゴリーエラーな気がする(苦笑) 正直こういうの大好きなんで続編を期待したいけど...もしもあるなら相棒モノとしても面白いものができそう。2013/09/21

瀧ながれ

13
一人の男の死に、二人の調査員が現れる。ハードボイルドでファンタジックなミステリー。あんまり活躍しないのに、特別特殊な能力のため、ラストの盛り上がりをひとりで持っていった(異名もなるほどの活躍)バドもいいですが、あんなに働いたのに、いいトコぜんぶ奪われて、クールを気取っているのになぜか天然ボケにみえてしまうリッチが好きです。続編あるなら、リッチにおいしいハナシにしてあげてください(笑)。2013/10/13

ちかもり@再出発

12
やるせない。登場人物は誰もが自分自身ではどうすることもできない現実に縛られて身動きが取れなくなっている。バドにしろシェリにしろ、今よりほんの少しだけ自由や幸福を求めただけなんだよ。なのに誰もが望んでない結果を手に入れてしまう。悪魔の世界もピラミッド型の階級社会で上官の命令は絶対だという。これじゃ人間社会とかわらないどころか、不服従は破滅なんだからもっと厳しい。何ともやりきれない。だが、そこであがく姿がすごくいい。読んだ後は少し酒におぼれて、物語でやさぐれてしまった心を静めたくなるような、良い作品でした2014/05/25

accept

11
頭に浮かんだのは『いかにも』でした。『いかにも』な掛け合いは心地よく、『いかにも』な街の雰囲気は煙草と硝煙の香りすら感じるよう。コテコテなハードボイルドに『悪魔』の要素が程よくファンタジーしています。ハードボイルドの定形のようなストーリー展開故に意外性はないけど、実に纏まった作品でした。2013/10/04

まりも

11
ド直球なハードボイルド。ラノベとしては珍しい泥臭さと人間臭さのある作品ですね。悪魔は悪魔でも全て失ってしまったものを取り戻す中で無力感を感じながらも泥臭く生きる悪魔というのがいいなぁ。色気も何もないがピアノの勢いある旋律、無駄のない構成と作者のセンスを感じた。ガガガ文庫を読むときの期待感を全く裏切らないいい作品でした。本当にいい買い物をしました2013/09/22

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