ガガガ文庫<br> ストレンジボイス

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ガガガ文庫
ストレンジボイス

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  • サイズ 文庫判/ページ数 244p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784094511857
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

日々希に虐められすぎて不登校になっていた遼介が、卒業式にやって来るらしい。日々希に、そしてずっと見て見ぬふりをしていた私たちに復讐するために。他人のすべてを知りたいという欲求にあらがえない私は遼介の部屋を訪ねる。そこで出会った遼介は、赤の他人と見紛うばかりに鍛えあげた体で、禍々しい形に削りだしたバットを私に突きつけた。「全員殴り殺してやる」。私は、心待ちにしている。遼介が復讐を遂げに現れる瞬間を―。癒やされることのない心の傷を負った少年と少女のためのサバイバルノベル。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

とら

54
「あたしたちは常に周りに合わせられない不協和音」めちゃくちゃ好み。ライトノベルの範疇越えてる。こういう本がライトノベルってジャンルに埋まっちゃってるから勿体無い。当然の様に萌え要素は皆無で、あるのは暴力とかそういう類のみ。ほぼ全部の登場人物が捻くれてるんだよなぁ。でも、それが正しいのかもしれない。”あたしは、周りを壊して自分の場所を確保する。周りを壊さなければ、あたしのような歪んだピースがぴたりとはまる場所は無い。あたしは本来、社会に不要な人間だ”.....何とでも言えばいい。あたしは死ぬまで生きていく。2013/01/18

おうつき

19
いじめられる少年、いじめる少年、傍観する少女の3人の登場人物を中心に、人との繋がりを上手く構築できない不器用で弱い少年少女の歪み。社会の一員として生きていく為に誰かと繋がっていなくてはならず、不適合な自分を自覚しつつも誤魔化して生きていかなくてはならない息苦しさが鮮烈に描かれている。遼介の復讐のカタルシスを描く所に落ち着くものだと思っていただけに、ラストは心が重くなってしまった。2020/04/25

生存戦略

17
『絶望主義文学』とか『絶望文学』とでも名づけたい。いやつまり何を言いたいかというとこの小説は『ラノベ純文学』とでも言うべき文学の新たな新潮流を(以下略)。まあそんなことはいいのだけど、今の日本の極端な管理社会に適応して『普通』に生きていける人はともかくとして、ちょっと普通じゃない『規格外』の人間にとってはいろいろ息苦しい現状でじゃあどう生きていけばいいのって答えまでは用意されていないんだけど、でも小説ってそれでいいんだよ。同じことで悩んでるやつが自分だけじゃないってわかるだけでも、人は随分救われるわけで。2014/04/07

なつきネコ@小学校に卒業した化け猫

12
普通を毒で固めたような作品。イジメや裏社会、異端な人間を普通に有るものとして描ききる姿勢は評価できる。出て来る人間が的確に描写され、アァ、こう言った人はいるなと素直に頷けた。特に私自身は水葉の、私個人も異端者だと思いで、人付き合い面倒なのに、それでいて自身の立位置を探している姿勢は妙に共感を覚えてしまう。気づけば観察者にいた水葉に、先生はだからこその不安を覚え、彼女に武器としての生き方を与えた。イジメ問題よりも、自身の資質を知って生き方を学べと言う事だろう。2014/05/31

訃報

11
これは正しく、マイノリティのための文学。ほとんどの作品では異端は矯正されて普通になるが、本作の主人公・水葉は最後まで異端を貫くという点が非常に好み。完成度も高い。なんでもないような出来事、描写にきちんと意味が込められており、因果関係の構築も巧み。賢く責任を回避したり人を潰したりすることで異端のままなんとか生きている二人の大人は、水葉にとっては人生の師だ。普通になりたくてもなれない。だから、異端のまま、強くなるしかない。そういう意味での成長を描いた青春小説とも言える。すべてはただ、生き残るために。2013/02/10

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