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出版社内容情報
冬休みの女子寮に残った4人。ピクニックをしたり一緒にお風呂に入ったり。けれど、おしゃべりの時間はもう終わり。なぜなら私は二人に迫られて…。第1回小学館ライトノベル大賞・期待賞受賞の幻想百合ミステリー!
一柳 凪[イチヤナギ ナギ]
著・文・その他
弧印[コイン]
イラスト
内容説明
冬休みの女子寮には、4人の美術部員しかいなかった。ぼけぼけおっとりの沖本部長に読書魔の天才・三輪先輩、あっぱらぱーの門倉せりか、そして優柔不断な私・久我崎蝶子。私たちはひたすらに戯れる―ピクニックをしたり、チェスをしたり、いっしょにお風呂に入ったり。けれど、蛇行をつづける他愛のないおしゃべりも、ぼんやりとした空想に耽る時間も終わるだろう。なぜなら私は迫られてしまったから―せりかと先輩に。三角関係。私は選ばなければいけない―愛の行方を。第1回小学館ライトノベル大賞・期待賞受賞作。
著者等紹介
一柳凪[イチヤナギナギ]
『みすてぃっく・あい』で、第1回小学館ライトノベル大賞・期待賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
そのぼん
18
解ったような解らんような世界観のお話でした。少女ばかりの日常のなかに広がる違和感の正体とは・・・。細部まで理解しきれていない感じでしたが、不思議な世界観は悪くなかったです。ただ虚数とか数学的な事が出てきて理数系の苦手なそのぼんとしては読むのが大変でした。雰囲気だけ味わいました。2013/08/24
サイバーパンツ
17
エヴァレットの多世界解釈を見事に利用した百合SF。説得力のある鮮やかな伏線回収と、オカルトネタをはじめとした衒学趣味丸出しなのに綺麗で読みやすい文章、ドッチボール状態なのに軽快で楽しい会話、百合日常系から量子論SFへの流れるようなシフト、となかなか良く出来てる。ただ、せりかに全ての謎を抱えさせていたのと、最後駆け足気味なのが残念だった。もう少しページ数を増やして、他キャラや虚数の庭について掘り下げたり、量子論パートの説明を丁寧にすればよかった。2016/03/30
Pustota
10
不思議な雰囲気な作品。百合と平行世界の話。儚くて妖しい雰囲気、物語は静かだが、どこか不穏な語りが心地よい不安を掻き立てる。夢とか言葉とか庭とか、雪とかチェスとか、イメージがキレイ。面白いというよりは印象的という言葉が似合う作品で、ラノベの単巻でこういうのは結構好き。2019/12/09
CCC
8
百合描写に少しくどさというかわざとらしさというか、必要なイベントを消化してる印象を受けたりもしたが、先に繋がる前置きもそこにあったりするので何も間違っていない、のかも。話の裏が明らかになる部分は面白かった。謎や伏線の物量、重さが思った以上にあって良かった。2023/02/27
Monto PASO
8
手に取ったときと読み終えた後のギャップがすごい。完全に表紙詐欺。いい意味で騙されました。百合ではあったし、三角関係でもあったが、量子論、数秘学を効果的に織り込んだSFミステリー作品。先輩と部長の伏線には全く気が付かなかった。読唇術で、どうしても思い出せない詩を再現する下りが、先輩の想いと、謎解きが見事に掛かっていて良かった。2019/11/26