出版社内容情報
列島を下駄で歩いた「日本のゴッホ」の遺作。
今年の花火見物はどこへ行こうかな──知的障害というハンディキャップをものともせず、下駄履きで全国を踏破した大放浪画家山下清。その裸の大将の幻の遺作「東海道五十三次」が東海道宿駅400年祭を前に甦る。1964年の東京オリンピック直後の東海道の風景を、当時新素材の出現と驚きをもって迎えられたフェルトペンで描いている。宿場町の持つ、人生にも似た躍動と哀感がインクのにおいと混ざりあって旅情を誘う。
内容説明
今年の花火見物はどこへ行こうかな―知的障害というハンディキャップをものともせず、下駄履きで全国を踏破した大放浪画家山下清。その裸の大将の幻の遺作「東海道五十三次」が東海道宿駅制定400年祭を前に甦る。1964年の東京オリンピック直後の東海道の風景を、当時新素材の出現と驚きをもって迎えられたフェルトペンで描いている。宿場町の持つ、人生にも似た躍動と哀感がインクのにおいと混ざりあって旅情を誘う。
目次
皇居前広場―東京
品川の海―品川
川崎大師―川崎
横浜中央通り―横浜
第三京浜道路―保土ケ谷
わらぶき屋根―戸塚
遊行寺―藤沢
こま山―平塚
松並木―大磯
春のお城―小田原〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Yu。
17
公園や遊園地は冬は寒いばかりで つまらんものな お寺は景色をみるのがめあてでないから 冬のさびしい時でも人がくるんだな 人がくるから冬でもきれいにしておくのとちがうんだな お寺には仏様がいるといわれているから ほんとにいるようにみせるために きれいにしておくのともちがうんだな 古い寺は小さくとも ながい時間たってるうちに しぜんにいい景色になるんだも思うな やっぱり 【石薬師 45 冬の寺】 。。独特の表現から覗ける繊細さや温かさは天賦の才の他に彼が世の中の事をよく知ってるからと思うんだな(*´ー`*)2016/12/20
ホークス
12
山下清の遺作、五十三次のモノクロ素描と短文。心の休まる絵で見始めると止まらない。山下清は「ぼやっ」とできる自由気ままな時間を求め続けたそうだ。絵も楽しいからと言うより仕事と思って描いていた。しかしこの絵には人を鎮静する作用があり、描いている時間は無心だったろう。苦しみや嫌なこともその間は忘れられただろう。たどたどしい文章には、時にどきっとする洞察が含まれる。「〜なんだな」と言うお馴染みの言い回しに、素朴だが強い意志を感じる様になった。歳をとると、金に縁のない私みたいな者でも何かを背負う様になると言うことか2015/11/16
こも 零細企業営業
9
山下清のモノクロスケッチ。一応、山下清が旅館や食堂で手伝いをしていた地区で仕事をしているので彼の話は聞いているが、、、 建物の書き方が正直で驚いた。2019/11/21
Tom Ham
1
山下清といえば、僕らの年代は花王劇場の『裸の大将放浪記』の芦屋雁の助である。 「おむすびが食べたいんだな」といいつつ、放浪している姿しか印象にないが、実に素朴でまっすぐな作品を作られている。 『ぼくは何冊か読んでみたいなぁと思ったんだな』(笑)2012/01/09
zero
0
○2010/11/11