小学館文庫<br> 兄 かぞくのくに

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小学館文庫
兄 かぞくのくに

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  • サイズ 文庫判/ページ数 333p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784094088335
  • NDC分類 916
  • Cコード C0193

出版社内容情報

各賞総ナメの映画「かぞくのくに」の原作本

人生に「もしも」はない。私たちの家族のひとりが「もしも・・・」と口にした時点で、きっと私たちの間で何かが壊れる。それが「何か」はわからないけれど、私たちの誰もが、この言葉を口にしたことがない。でも私は思ってしまう。もしも兄が帰国していなかったら?(本文より)~1960~80年代に日本から北朝鮮に10万人ちかくが移住した「帰国事業」。旗振り役だった総連幹部の一人娘として生まれたヤンヨンヒ監督。パラダイスを夢見て北朝鮮に渡っていった3人の実兄と日本に残った両親とヤン監督。国家や思想によって引き裂かれてしまった「かぞく」に突きつけられた厳しい現実をリアルに綴った感涙のドキュメンタリーノベル。昨年「映画芸術」2012年日本映画ベストテン第一位、第86回キネマ旬報日本映画ベストテン第一位、第55回ブルーリボン賞作品賞、第64回讀賣文学賞戯曲・シナリオ賞ほか各賞を総ナメした話題の映画「かぞくのくに」の監督が涙ながらに綴った原作本。

【編集担当からのおすすめ情報】
映画では三番目の兄が手術のために北朝鮮から日本に一時帰国する部分のみが描かれていますが、原作本では三人の兄たちが北朝鮮に渡る当時、渡ったあとの生活なども綴られています。映画と原作本は補完しあう内容で、背景や内容をより深く理解することができます。映画「ディアピョンヤン」発表以降、北朝鮮に入国禁止状態にあるヤン監督が表現者としての覚悟をもって挑んだ決意の一冊です。

内容説明

総連幹部の娘として生まれた映画監督ヤンヨンヒが綴った感涙のノンフィクション。幼いころ、三人の兄が「帰国事業」によって北朝鮮に渡り、国家と思想によって引き裂かれてしまった「かぞく」。不条理に翻弄される人々の姿を描き、劇映画初監督作品で二〇一二年の映画賞を総ナメにした話題の映画「かぞくのくに」の原作本を文庫化。

目次

新世界より―テドンガンでコノ兄は叫んだ
君に送る最後の手紙―コナ兄のステップファミリー
白いブランコ―たった数秒のケン兄の嗚咽

著者等紹介

ヤンヨンヒ[ヤンヨンヒ]
1964年11月11日大阪府大阪市生まれ。在日コリアン二世。ニューヨークのニュースクール大学大学院修士号取得。六年間ニューヨークに滞在後、初の長編ドキュメンタリー映画「ディア・ピョンヤン」を発表しベルリン国際映画祭ほかで受賞。2012年初の劇映画「かぞくのくに」を発表、ブルーリボン賞作品賞、讀賣文学賞ほか映画賞、文学賞多数受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ゆいまある

87
子供3人を北朝鮮に送った(心情的には取られた)在日一家で唯一日本に残った妹であり映画監督によるルポ。長兄は不遇な目にあい精神疾患となり亡くなる。次兄も三兄も苦労が多い。多分三兄はスパイになってる。北朝鮮に行かなければ兄達は笑顔で暮らせたんじゃないか。残された罪悪感と、兄の代わりに幸せにならねばとの思いに胸がよじれる。北朝鮮に向かう怒り。こういった映画や本を出せば兄達に危険が及ぶかもしれない。だが訴えずには居られなかったのだろう。内容は衝撃的過ぎて己の無知を恥じた。総連経由だと北に割と簡単に行けるのね。2024/10/21

キューポップ

39
日本で総連幹部の娘として生まれた作者のノン・フィクション。3人の兄達は地上の楽園と謳われた帰国事業により北朝鮮へ渡る。片や成長した作者は映像の勉強をしにニューヨークへ。後に映画『ディア・ピョンヤン』のスタッフの一員としてベルリン国際映画祭等世界各国から招かれる日常。 /期待していた内容では無かったのだが、息子達は平壌に住み、電話等の連絡も可能な比較的恵まれた総連幹部の家族の話は読んだ事が無かったので、そういう意味では読んで良かったか。2020/08/18

James Hayashi

29
映画になり数々の賞を受賞した原作。著者の実体験が元になっている。「地上の楽園」と呼ばれた北朝鮮へ帰国した著者の兄3人。帰国は本人たちの至っての希望で無く、日本人としてパスポートの発行はなく、(朝鮮籍ゆえ)就職もままならず、尚且つ実父が朝鮮総連の幹部というレッテルがあったという事実が読み取れる。離れ離れになった家族が、強い絆によって結ばれるている情景が胸を打つ。在日の生きづらさ、北朝鮮の苦労を感じ取った。2019/02/26

ねこまんま

18
久々に、とてつもなく心揺さぶられた作品。著者が同世代で同じ大阪で生まれ育ったということにも驚く。いい年をして知らないことが多いと実感する。映画も見てみたい。2019/03/21

小豆姫

14
前に読んだときは、映画の感動も相まって著者である妹にシンパシーを感じたけれど。今回は、三人の息子を帰国させねばならなかった母親の悔恨の情が沁みた。2020/08/11

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