小学館文庫<br> 幕末妖人伝―時代短篇選集〈1〉

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小学館文庫
幕末妖人伝―時代短篇選集〈1〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 441p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784094087987
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

時代を超えた衝撃の名作短編を収録。

幕末から明治を舞台に描いた山田風太郎の名短編を、文芸評論家・日下三蔵氏の編により収録した短編集。大きく変わっていく激動期に、あるものは自らの意志を貫き、あるものは時代に翻弄される人生を送った。
無念流の免許皆伝の腕をもち、佐久間象山の下では、勝麟太郎とならぶ俊才と目されていた、立花久米蔵。蘭方の医者でもあり、妻は外国人の血を受け継いでいた。そんな彼が、黒船渡来で攘夷を唱える声に、異論を述べたことから悲劇が始まる、「ヤマトフの逃亡」。
火事のため、伝馬町の牢屋敷から囚人の切り放しがあり逃げてきた、高野長英の最後までを描く、「伝馬町から今晩は」。
ほか全七編。



【編集担当からのおすすめ情報】
二月から、三ヶ月連続で刊行する山田風太郎「時代短編選集」の一冊目です。

内容説明

幕末から明治を舞台にした山田風太郎の名短篇を集成する作品集。無念流の免許皆伝の腕を持ち、佐久間象山の下では勝麟太郎と並ぶ俊才と目されていた立花久米蔵。蘭方の医師でもあり、妻はオランダ人と遊女との間に生まれた絶世の美女だった。そんな彼が、黒船渡来で攘夷を唱える声に異論を述べたことから悲劇が始まり「ヤマトフの逃亡」。牢屋敷から、火事のため囚人切り放しで自由の身となった、高野長英の最期までを描く「伝馬町から今晩は」。ほかに、芹沢鴨、河上彦斎、鳥居燿蔵など、主人公たちの切々たる心情が胸を打つ全七篇。

著者等紹介

山田風太郎[ヤマダフウタロウ]
1922年、兵庫県生まれ。東京医科大学卒。46年『達磨峠の事件』で作家デビュー。49年に日本探偵作家クラブ賞、97年に菊池寛賞、2001年に日本ミステリー文学大賞を受賞。01年7月没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

厩戸皇子そっくりおじさん・寺

27
堪能。別の短篇集で既読のものばかりだが、本来のこの書名の本でまとめて読みたかった。理由は日下三蔵さんの編者解題(これも良い)の通り。数年振りの再読だが、改めて面白い。『からすがね検校』希望の物語だ。『ヤマトフの逃亡』ラストのゲスト!。『おれは不知火』最後の一行!。『首の座』切支丹と江藤新平の妙。『東京南町奉行』勝と福沢の対決。『新選組の道化師』芹沢可愛い。『伝馬町から今晩は』の悪夢。読むべし!。2013/02/19

きょちょ

23
幕末7人の人物を描く短篇7作。 ただ、「明治小説全集」と重なるのが3作。 「からすがね検校」は、柳生家と勝(海舟)家の因縁。柳生の当主が勝海舟の親父に勝てなかったとは、柳生も落ちたものだ。 「ヤマトフの逃亡」は立花久米蔵、ロシヤへ逃げるが日本で活躍したらどうなっていたか。「伝馬町から今晩は」は高野長英、この人も生きながらえていたらなぁ、と同情する。 「新撰組の道化師」は芹沢鴨、本人は「道化」のつもりは全くなく、結果「道化」と言われてしまったが、新選組に入らなくても似たような結末を迎えたのでは?  ★★★★2017/09/27

tonpie

22
かつてウォーレンバフェット(米国投資家)は「企業成長は経営トップの欲望の大きさに比例する」と言った。 山田風太郎の描く幕末の妖人たちは、経営者でもトップでもないが、その欲望はバフェットの投資欲をそそるに十分なレベルにある。天下を動かしたいというとめどない欲望と情熱と才気。剣術と色欲と名誉欲。幕府と武士道の崩壊しかかった、混沌とした時代を、彼らはのたうち回る様に生きる。「戦中派虫けら日記」の作者が描くと、英雄はかくも魅力的にダークになるのだ。勝海舟の盲目の祖父を描く「からすがね検校」が最も印象深かった。2021/12/28

ヨーイチ

18
実の所、購入の際かなり逡巡した。買うかどうか、全三巻中何冊買うか、何れを買うか、ここまで悩むのも珍しい。持ち合わせに余裕が無かったせいもあるが、優柔不断なことである。最も愛する山田風太郎明治物である。悩むことなど無いはずだが、半分が既読の短篇集だと流石にパクリとは食い付けない。結局中途半端にも1と2の二冊購入。恐らく3も買うことになろう。初読の「からすがね検校」は「この名前、どっかで読んだなあ、誰だっけ?」と思いながら終末で、サッと腑に落ちる。続く2013/08/09

誰かのプリン

15
短編7話。なかでも幕府倒幕後、牢獄から出てきた鳥居燿蔵を描いた「東京南町奉行」や火事で牢獄から解き放されその後逃亡した高野長英を描いた「伝馬町から今晩は」が特に良かった。⭐4.62020/11/15

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