出版社内容情報
男と女の噂の真相を、小説に仕立てた作品集
その街ではいくつもの噂話がささやかれている。
結婚から五年が経ち、すっかり冷えきった仲になった夫婦の噂(「好色」)。酒と博打と女が原因で街から夜逃げした若い男の噂(「カップル」)。不幸な事件で命をおとした夫と、未亡人となった女の噂(「アーガイルのセーターはお持ちですか?」)。街のデパートに勤務する男と、街から上京して活躍している女優との噂(「輝く夜」)。ある交通事故をきっかけに男が悔やむことになる冬場だけあらわれる娼婦の噂(「あなたの手袋を拾いました」)。アーケード街で似顔絵を描いて街に住み着いた男の噂(「いまいくら持ってる?」)。かつて街じゅうの男が群がったホステスとある男の噂(「グレープバイン」)。
そしてその街にはひとりの「小説家」が暮らしていた――。
噂はいつも事実よりひと回り大きい。ただ「小説家」にとってこれほど興味をひかれるものもない。噂の収集に余念のない語り手の「私」はその真相を探りつつ、実際に耳にした噂の数々を可笑しみと皮肉にみちた小説へと仕立てあげてゆく。
文壇屈指の小説巧者・佐藤正午が、その街に暮らす「小説家」の視点を借りて描いた、著者真骨頂とも言える作品集。全七篇を所収。
【編集担当からのおすすめ情報】
2013年1月より連続ドラマ化される『身の上話』で、多くの読者をあっと言わせた「語り手」の登場を、本作でもぞんぶんにお愉しみいただけるはずです。その鮮やかな手法と、街の噂話を〈読ませる〉企みにみちた語りの妙は、まさしく小説を読む醍醐味と言えます。また、「語り手」が噂の周辺からさりげなくあぶり出したそれぞれの人生模様は、どれも印象深いものばかりです。
内容説明
その街では、男と女の噂話がいくつもささやかれている。冷えきった仲の夫婦、夜逃げをした男、ある事件の被害者と未亡人、百貨店勤務の男と女優、手袋をつけた娼婦、アーケード街の絵かき、男たちが群がったホステス…噂話の登場人物はどれも多彩だ。そしてその街にはひとりの「小説家」が暮らしていた―。噂はいつも事実よりひと回り大きい。ただ「小説家」の興味をこれほどひくものもない。語り手の「私」は噂の真相を探りつつ、事実よりはるかに面白い物語に仕立てあげてゆく。文壇屈指の小説巧者が、街の「小説家」の視点を借りて描いた作品集。全七篇を所収。
著者等紹介
佐藤正午[サトウショウゴ]
1955年、長崎県生まれ。83年、『永遠の1/2』で第7回すばる文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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