感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
松本直哉
14
虹や煙や波や花序、さらには音楽のヘテロフォニーなどの譬喩を駆使してこの哲学者の思想を明らかにしてゆく語り口が魅力的だ。中世の正教会の信仰と、時代の最先端の集合論や地質学が、この稀有の人物の中で出会うとき、そこに生まれる哲学は自ずから西洋近代への批判となっているように思われた。肉体の衣を纏うものとしての魂の考察から心身二元論の批判、エルゴンとエネルゲイアの境界としての言葉、不連続でありつつ互いに交流する個と個。共産主義の時代になっても司祭の黒服を脱ぎ捨てず、やがて収容所に送られて銃殺という生涯も驚異的。2025/06/24
Go Extreme
1
形の概念 個と全の問題 ロシア思想史 矛盾を多く含む人物 時間概念の扱い 不連続性への関心 描かれたものは生きてもいる 象徴には象徴されるものの現実性 不連続性の意義 銀の時代の詩人たち 科学と哲学の統合 個人的で具体的な生きた経験 人生やその美を根本的に肯定 全一の概念 個の自律性と自由 数の同一 花序的 表面の深み 無限と有限の出会い 肉を纏った霊 受肉の証 宇宙全体が神の存在 不連続な実在 実無限 人格同士の生き生きとした道徳的交流 神権的共同統治 自己充足性 自己完結性2025/05/23