出版社内容情報
消された記憶と謎の都市伝説に迫るミステリ
彼はこの世界から消されてしまったのかもしれない――。
メジャーデビューを夢見て高校卒業と同時に上京した佐川夏実は、吉祥寺で毎週木曜日にストリートライブをしている。そんな夏実のバラード〈不在証明〉は、彼女のおぼろげな記憶の中にいる彼氏を歌った曲。彼との思い出が断片的によみがえることもあるし、ツーショット写真も手元にある。だが、写真を見ても夏実にはそれが誰なのか名前さえわからず、写真を撮ったときの記憶もなかった。
これは恐ろしく“都市伝説的”な事態だ――。
吉祥寺の恵晟大学で「都市伝説研究会」というサークルを主宰する伊神雄輝は、世の中に流布する数多の“伝説”の真相を究明していた。最近もっぱらの話題は、「イレイザーヘッド」により記憶を消されるという都市伝説だったが、あるとき雄輝の携帯に奇妙なソフトが届く。そのソフトを使えば、誰でも「理想の人物」を生み出すことができるという。
めくるめく展開と謎解きのスリル、そして予測できない結末が待ち受けるミステリ長編。夏実が歌うおぼろげな記憶と、雄輝が追う謎の都市伝説がシンクロし、やがて二人の人生を大きく揺り動かしてゆくとともに、内包された壮大なテーマが明らかに!
【編集担当からのおすすめ情報】
読みはじめたらページをめくる手が止められない面白さです。都市伝説の謎を解明していくミステリとしての面白さはもちろんのこと、成長していく二人の主人公の青春小説としての香気や、「理想の人物」をめぐる恋愛小説の側面、さらにほんとうに大切な〈存在〉とは何かといった深いテーマが、読後じわりと訪れます。ぜひ!
内容説明
彼はこの世界から消されてしまったのかもしれない―。メジャーデビューを夢見て上京した佐川夏実は、吉祥寺で路上ライブをしている。バラード“不在証明”は、おぼろげな記憶の中にいる彼を歌った曲。彼との思い出が夏実には断片的にしかなかったのだ。一方、大学のサークルで世の中に流布する都市伝説の真偽を究明していた伊神雄輝の携帯電話に、あるとき見覚えのないメールアドレスから奇妙なソフトが届く。そのソフトで誰でも「理想の人物」を生み出すことができるという。
著者等紹介
平山瑞穂[ヒラヤマミズホ]
1968年、東京都生まれ。2004年『ラス・マンチャス通信』で第十六回日本ファンタジーノベル大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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