小学館文庫<br> 蝦夷地別件〈上〉

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小学館文庫
蝦夷地別件〈上〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 588p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784094086751
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

アイヌ民族最後の蜂起を描く超大作の第1巻

18世紀末、蝦夷と呼ばれるアイヌ民族は和人の横暴に喘いでいた。蝦夷地での交易権を松前藩から買い取った商人たちによる苛烈な搾取、問答無用の暴力、日常茶飯に繰り返される女たちへの陵辱。アイヌの怒りと悲しみは沸点に達しようとしていた。北の大地から和人を追い払うための戦いを決意した国後の脇長人ツキノエが、密かに手配した鉄砲300挺。120年前に決起した英雄シャクシャインも、和人に負けない武器を持っていたら、戦いに勝利していたはずだった。鉄砲調達の算段は、択捉で出会ったロシア人船長との間でまとまった。しかし、その裏側には、ロシアの地で祖国奪還のために奔走するポーランド貴族マホウスキの策略があった。ロシアの南下政策を阻止すべく、極東に関心を向けさせるための紛争の創出。300挺の鉄砲がその引き金となるはずだった。
一方、和人のあいだでも、老中・松平定信のもと蝦夷地を直轄地にしようと目論む幕府と、権益を死守しようとする松前藩の思惑が入り乱れていた。それぞれの思いを巻き込んで蝦夷地に渦巻く歴史のうねり。アイヌ民族最後の蜂起「国後・目梨の乱」を壮大なスケールで描きだす超大作。

内容説明

十八世紀末、蝦夷と呼ばれるアイヌ民族は和人の横暴に喘いでいた。商人による苛烈な搾取、謂れのない蔑みや暴力、女たちへの陵辱…。和人との戦いを決意した国後の脇長人ツキノエは、ロシア人船長に密かに鉄砲三〇〇挺を依頼する。しかし、そこにはポーランド貴族マホウスキの策略があった。祖国を狙うロシアの南下政策を阻止するべく、極東に関心を向けさせるための紛争の創出。一方で、蝦夷地を直轄地にしようと目論む幕府と、権益を死守しようとする松前藩の思惑も入り乱れていた。アイヌ民族最後の蜂起「国後・目梨の乱」を壮大なスケールで描きだす超大作。

著者等紹介

船戸与一[フナドヨイチ]
1944年、山口県下関生まれ。早稲田大学法学部卒。『山猫の夏』(吉川英治文学新人賞)『猛き箱舟』(日本冒険小説協会大賞)『伝説なき地』(日本推理作家協会賞)『伝説なき地』(日本推理作家協会賞)『砂のクロニクル』(山本周五郎賞)『虹の谷の五月』(直木賞)など著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

NAO

76
再読。時は18世紀末。蝦夷地では松前藩がその地の富を一人占めしようとしており、幕府もまたその地の富に目を付けて直轄地にしようと目論んでいる。そして、蝦夷地の民の間では、和人の横暴に対する怒りが激しくくすぶり、今にも爆発しそうになっている。択捉島にやってきたポーランド人、蝦夷地に流れ着いた僧、殺し屋、侍。誰もが、いわくありげな者たちばかりで、彼らの今後の動向も気になる。2020/01/28

レアル

75
「国後・目梨の戦い」を題材に描かれた歴史小説。ロシア、アイヌ、和人と其々の視点から紡ぐ物語。蝦夷地を巡って様々な思惑の中、アイヌが虐げられる。。和人のアイヌに対するあまりにも残虐過ぎる行為は読んでて辛いが、物語に吸い込まれるように読了した。歴史の結末を知っているとはいえ、壮大な物語の行方が気になり中巻へ。2015/09/17

翔亀

52
江戸時代、寛政の改革の頃の1789年に起こった「クナシリ・メナシの蜂起」はアイヌ人の和人に対する最後の武力による戦いとして知られるが、その経過は専ら和人=幕府側の史料しかなく粉飾があるとされる。道東・国後島ではすでにロシアの侵入があり幕末の開国をめぐる国際環境を先取りする激動の時代。本書はこの蜂起を題材にした本格歴史小説。松平定信の幕府、北海道の松前藩、先住民族アイヌ人、ロシア(本書では暗躍するポーランド人)の四つ巴の未知の歴史を、史実に即しつつ想像力豊かに描きって歴史小説の醍醐味を味わわせてくれる。2015/06/03

キャプテン

50
★★★★☆_「きゃぷ衛門とゆく時の旅フェア」【西暦1789年江戸時代─蝦夷地探索編】アイヌたちの国、蝦夷地。シャクシャインによる一斉蜂起から120年後、アイヌたちは和人からの弾圧に苦しんでいた。暴利の交易、虐待される男たち、無残に手篭めにされる女たち。病んで、衰えていくアイヌ。そこに集まる蝦夷地探索の冒険家、時代の変化に苦しむ松前藩、謎の侍、仏門の僧、そして、日本を鋭く見据える露西亜。変わらぬ生活を求めるがゆえに、時代にすり潰され始めるアイヌと蝦夷地。確かな一点に向かう群像にのまれる。集結の上巻にござる。2018/02/05

きょちょ

34
18世紀江戸時代。 主に蝦夷地を舞台とした物語。 松前藩と商人たちにこれだけ好き勝手にされては、アイヌ人が怒るのも当たり前。 あるポーランド人が、ポーランドを守るために、ロシアの南下政策を阻止しロシアの政策を別の方向に向けるため、アイヌに鉄砲を300丁供給し松前藩と戦わせようと画策。 さらに、幕府の老中松平定信は松前藩をおとりつぶしにしようと画策。 さてどうなるか。 アイヌの「オッケニ」というおばばはとても恐ろしいおばば。 葛西政信という侍と静澄という坊主が蝦夷に来た目的は謎。 ★★★ 2018/12/20

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