出版社内容情報
初めて訪れた香港で知る、私の出生の秘密。
学校に行っていないことが母親に発覚し、厳しく詰問されていた女子高生の彩。その母親との諍いのの最中に、うっかり口にした、「どうせ父親も知らないから」という言葉がきっかけで、母親は突然、半ば強引に彩を香港へと連れ出す。どうやら彩の父親はいま香港にいるらしい。生まれてからこのかた彩には父親という存在の影すらなかった。自分がうまくいかないことの全ては、そのせいではないかと思っていた。頭が悪いのも、溌剌としていないのも、夢がないのも、希望がないのも、全部。とはいえ父親に会いたいとは一度も思ったことがなかった。そんな彩の気持ちも知らない母親が、彩に唐突に訊く。「懐かしい感じ、する?」「するわけないじゃん、香港になんか来たことないのに」。すると母親は「遺伝子には町の記憶は入ってないのね」と思いもかけないことを口にした。もしかして、私の父親は日本人ではないのだろうか、香港の人? そう疑問に感じ動揺する彩だったが、熱気と活気に溢れる香港の街、そして力強い響きを持つ広東語に惹かれるうちに、少しずつ気持ちがほどけていく。
【編集担当からのおすすめ情報】
長編小説『ピエタ』で話題の著者が、香港を舞台に母と娘の交流を描いた名作小説、待望の文庫化。
内容説明
「どうせ父親も知らない私ですから」十七歳の彩美は、うまくいかないことをすべて父親のせいだと思っていた。夢がないのも自信がないのも。退屈な夏休み。突然、彩美は母親からパスポートとエアチケットを渡される。どうやら父親はいま香港にいるらしい。会いたいと望んだことなんて一度もなかったのに。ガッツよ、ガッツ。初めて知る出生の秘密に、へこたれそうになる自分を鼓舞し、彩美は空港へ降り立った―。熱気に溢れる香港の町。力強い響きの広東語。活気に満ちた人々と出会い、少女がたおやかに成長を遂げる青春の物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぶんこ
ここまま
kaoriction@本読み&感想リハビリ中
とりあえず…
takayo
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- 和書
- ビスマルク伝 〈第4巻〉