小学館文庫
希望ヶ丘の人びと〈下〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 471p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784094086133
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

人と人との絆を見つめ直す希望の街の物語

「希望は世界のどこかに転がってるぜ」――。
二年前にガンで亡くなった妻・圭子のふるさと「希望ヶ丘」。この街に引っ越して塾を開いた私〈田島〉の下に、少しずつ生徒が集まってくる。帰国子女のマリア、高校中退して家を出たショボ、母親の期待に押し潰されそうな泰斗、そして、長女の美嘉……。
「ダメになっていく子に冷たい街」――そんな希望ヶ丘の子どもたちを田島とともに救ったのは、圭子の中学時代の初恋相手・エーちゃんだった。
「顔を上げろよ、少年。うつむいてると息が苦しくなるだろ……美味い息を吸って、美味い息を吐け。それが人生だ」「いろいろ大変なことはあっても、生きてるってのは、もう、それだけでハッピーなんだよな」「人生は吹きっさらしだ……だから、めんどくさくて、大変で、苦労も多くて……でもな、そのかわり、ときどき気持ちのいい風が吹くんだ! その風が、おまえらを……俺たちを、いつだって元気にしてくれるんだ」
薄れゆく人と人との絆を見つめ直す「希望の街」の物語。

内容説明

二年前にガンで亡くなった妻・圭子のふるさと「希望ヶ丘」。この街に引っ越して塾を開いた私“田島”の下に、少しずつ生徒が集まってくる。帰国子女のマリア、高校中退で家を出たショボ、母親の期待に押し潰されそうな泰斗、そして、長女の美嘉…。「ダメになっていく子に冷たい街」―そんな希望ヶ丘の子どもたちを田島とともに救ったのは、圭子の中学時代の初恋相手・エーちゃんだった。「顔を上げろよ、少年。うつむいてると息が苦しくなるだろ…美味い息を吸って、美味い息を吐け。それが人生だ」薄れゆく人と人との絆を見つめ直す“希望の街”の物語。

著者等紹介

重松清[シゲマツキヨシ]
1963年岡山県生まれ。早稲田大学卒業。91年、『ビフォア・ラン』でデビュー。99年に『ナイフ』で坪田譲治文学賞、『エイジ』で山本周五郎賞、2001年『ビタミンF』で直木賞、2010年『十字架』で吉川英治文学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

黒頭巾ちゃん

43
最後はきれいにまとまっています。が、この街は、「今の日本を象徴している」と思いました。「違和感を感じるほど整然としている。周囲と離れていると排除される。善くても悪くても」など。だから、「少し歪んでいる方がいいんだ。ほんとうは...」と登場人物が伝えてくれます。筆者の想いが、作品中の登場人物が代弁しています。親子関係やいじめでの意見では、「親は子供を幸せにしたい、守り抜きたい」、「いじめられる方は悲しいが、いじめる方は恥ずかしい」、ケンカについても。「幸せは他人ではなく自分で決まるもの」。温まります(*^^2014/01/14

とも

39
「流星ワゴン」でも感じたけど、重松さんは家族の暖かさをとても上手く描くなぁと。父親としての在り方に対する悩み、葛藤、煩悶。「希望」が本作のテーマとの事で随所に未来に対する希望が散りばめられてる。子供には夢を語ろう、希望を託そう。そして何が何でも守ってやろう。そう強く思わせてくれる一冊。小憎たらしい加納君も理詰で腹立たしい吉田先生も最後には憎み切れない奴になったし、心底悪い奴は誰も居なかったのかな。 エーちゃんは最初から最後までカッコよかった。 愛する我が子を全力で守ってやろう。 そこんとこ、よろしくっ‼︎2020/03/08

sat

39
ダメになった人々が希望を見つける。無茶苦茶な言動に思えても、それが胸に突き刺さる。 『「希望」の言葉は額なんかに入れるんじゃなくて、半紙のまま、陽にさらされたり、風を浴びたり、ときには雨に濡れたりして、ぼろぼろになって、それでも残っているからこそ意味があるんだ』2016/11/04

hrmt

37
10年ほども前に「こんな時代だから生きることに希望がもてるような小説を」と、編集さんが仰ったのだという。10年経っても“こんな時代”はそのままで、この国の幸せの幅は変わらず狭い。見事にその幅からはみ出た我が子達には、世界のどこかに転がってる希望を見つけてほしいと切に願う。「幸せってのは図太いぜ。少々のことなら幸せのうちだ。前に向かって歩いてる限り、道は全部希望の道なんだ。」寄り道しつつ危なっかしい未舗装道路を嬉々として歩く娘の笑顔、途中休憩を繰り返しやっと一歩前進する息子の歩みを、希望とともに見守りたい。2018/03/15

Yuna Ioki☆

37
ショボさんと祖父のエピソードやラストのお墓参りのエピソードでは涙がでそうに…。脇のちょい役は別として登場人物が個性的かつ良い人ばかりで嫌味がない。希望はどこにでもあり、希望を見いだせるかどうかは自分次第。幸せかどうかも自分で決めるもの。他の重松清作品も読みたくなった。2013/12/02

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