出版社内容情報
14歳のリリーは母親とふたり暮らし、写真が縁で知り合った少年と恋に落ち、妊娠してしまう。家族や周囲の反対を押し切り、出産を決意したリリーだったが、自分の選んだ道は本当に正しかったのだろうかと悩み始める。
内容説明
十四歳のリリーは母親と二人暮らし。写真が縁で知り合った少年と恋に落ち、妊娠してしまう。家族や周囲の強い反対を押し切り、出産を決意したリリーだったが、大きく膨らんだお腹は、どこへ行っても好奇の目にさらされる。一方、相変らず父親の自覚が芽生えないダーフィトは、趣味のドラムに明け暮れ、クラスメイトとの浮気が発覚。いつしか“絆”が失われていった二人に、リリーは自分の選んだ道が本当に正しかったのだろうかと悩み始める。人生の岐路に立ち、期待と不安に押しつぶされそうになる少女の気持ちの揺れを繊細に描いた思春期ストーリー。
著者等紹介
フライ,ヤーナ[フライ,ヤーナ][Frey,Jana]
1969年ドイツ・デュッセルドルフ生まれ。フランクフルト大学で文学、歴史、美術を学ぶ。青少年保護の活動に参加し、のちに問題児をテーマにした作品を生み出すきっかけとなる
山崎恒裕[ヤマザキツネヒロ]
1956年東京生まれ。一橋大学修士了。フランクフルトにてGDS(学位大)取得(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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けい
2
14歳の少女が数回のセックスで妊娠した話。ドラマでもよくあるパターンだけど、舞台がドイツのため、また違った感じがする。14歳の少女が妊娠するというストーリーよりも、日本とドイツの家庭像や暮らしの違いを見つけるのが面白かった。離婚と再婚により断絶されたり、新たにくっついて大きくなったりする家族。午後には終わる学校。孫が生まれても働く女性が多い一方で、何人もの子どもの里親を引き受ける女性もいる(里親は里子と実親をいつでも合わせないといけないため、共働きはおそらく無理だろう)。そういった文化の違いが面白かった。2010/03/24
MIYA
1
性教育問題、ジェンダー問題、待機児童問題、児童虐待ネグレクト問題と、この作品から考えさせられた事は多くあった。14にして出産・育児は、犠牲にするものがあまりに多くありすぎる。あともどりできないとわかっていても、先に進むこともできない。ACのCMで、母親が哺乳瓶を加えて育児放棄してるCMを思い出した。 意地悪なヤコブおばさんの助力が救い。他人の子供も地域で育てるという育児コミュニティが、昔は日本にもあったように思う。この作者の作品をもっと読みたいけど、日本語訳されてるのは少ないなぁ。2014/12/24
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