内容説明
童謡「ぞうさん」「花の街」、オペラ「ひかりごけ」「夕鶴」など多くの名曲を世に出した大作曲家のもう一つの顔は森羅万象を鮮やかな切り口で料理する名随筆家。一九六四年、東京オリンピックの年に雑誌連載で始まった『パイプのけむり』シリーズは三十七年の長きに渡って書き続けられた。日本はもちろんアジア、欧州、中東まで、幅広いエリアを舞台にした作品はまさに珠玉。本書はその中から「食」に関するものだけを厳選。
目次
河豚
薬研堀
鮨
螺汁
金米糖
草野粥
韃靼風生肉
搾菜
アヴォカド
陳皮梅〔ほか〕
著者等紹介
團伊玖磨[ダンイクマ]
1924年東京生まれ。作曲家。祖父は男爵・團琢磨氏。名随筆家として知られ、三十七年間に渡り書き続けられた『パイプのけむり』シリーズは大人気を博した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ナチュラ
23
再読 團さんの人柄が伺えるようなエッセイ。食に関する内容を集めたものだが、雑学あり、こだわりあり、時にキテレツな一面もあったり、その時々の時代背景なども考えさせられたり、単純に読んでも面白い。私の生涯で何度かまた出会うことがあるだろう一冊だと思う。2021/10/16
ネムコ
19
オフ会でオススメされた本。上品な語り口、心地よいリズム、現代ではあまり使われなくなった雅な言い回しをさりげなく使いこなして、長く続いたのが頷ける一級のエッセイです。ただ一つ欠点をあげるなら、よくできたクラッシックを聞くように、読んでると眠くなってしまうこと(^^;) 次は「旅」を読んでみたいなぁ。2014/01/31
佐島楓
13
ウイットに富む、温かく豊かな気持ちになれる文章だった。「薬研掘」なんて表現は知らなかったし、そのほかにも未知の事柄が続々と。本業が作家ではないかたなのに、この洒脱な感じは恐れ入るばかりだ。ちょっと古めの本から離れて読書をしていた気がするが、これをきっかけに時代をさかのぼってみたくなった。2011/08/12
橘
10
「何も努力しない人間に美味しいものは微笑み掛けない」。「スパゲッティーはマカロニの芯」や、「蕎麦は断面が四角なので嚥下するときに食道や胃を傷付けるので食べない」と思い込んでる(た)のかなりかわいいです。2020/07/02
きりぱい
7
草野粥(草野心平直伝の粥)ぜひやってみよう。米、ごま油、水が1:1:15。とろ火で2時間。最終で塩をぱらぱら。2015/04/29