内容説明
相田みつをの書と児童精神科医の幸福な出逢い。親と子へ贈る「心のくすり」。
目次
発刊にあたって(杉浦正明)
みんなほんもの
欠点
肥料
待つ
ひとりに
出逢い
しあわせは
遠くから
いいですか
自分の番
そのままで
人間はねえ
自己顕示
育てたように
あんなにして
点数
道
泣
つまづいたって
子供へ一首
著者等紹介
相田みつを[アイダミツオ]
1924(大正13)年、栃木県足利市生まれ。書家・詩人。旧制栃木県立足利中学校卒業。旧制中学のころから短歌・禅に出合い、独特の世界観を書として表現する。84(昭和59)年、『にんげんだもの』出版を機に、多くの日本人の心をとらえ、根強いファン層を拡げた。91(平成3)年12月、六十七歳で逝去
佐々木正美[ササキマサミ]
精神科医。1935(昭和10)年群馬県前橋市生まれ。新潟大学医学部卒業後、東京大学で精神医学を学び、ブリティッシュ・コロンビア大学に留学して児童精神医学の臨床訓練を受ける。国立秩父学園、小児療育相談センター勤務の傍ら、東京大学医学部、東京女子医科大学などで講師を務める。現在、川崎医療福祉大学特任教授、横浜市リハビリテーションセンター参与、ノースカロライナ大学医学部精神科非常勤教授、子育て協会顧問(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ネギっ子gen
36
TEACCHで有名な児童精神科医・佐々木正美先生と詩人・相田みつをが出逢った本。“遠くからみている”と詩人の書。趣ある字。附される先生の言葉は、<子どもの自立を助けるということは、そういうことであろう。しかし、遠くから見ていることができるのは、見ている人自身の自律や自立がしっかりしていなければならない。相手を信じられない人は、じつは自分を信じることができないでいる。私は子どもを育てるということは、遠くから見守ることと、信じて待っていることだと思っている>と。【見守り】と【信じて待っている】ですね、同感。⇒2020/04/23
ぱんにゃー
32
【日曜版】 『欠点まるがかえで 信ずる』(み) 『「認める」lではなく「信ずる」というのが何ともいい。こちらの価値観を修正して相手を認めるのではなくて、子どもの存在そのものをそのまま信じるのである』(佐々木先生)2014/08/17
maimai
24
子供は親の姿を見て育つといいます。子供の引きこもりが近年問題視されていますがその大きな原因は親が外に出ないことが問題かも知れません。人をいじめる親に育てられたら人を大切にしない子供になるし、人に親切にする親に育てられたら優しい子供に育つし。だから子供の目の前でむやみに人の批判をすることは避けた方がいいかもしれません。子のふりみてわがふり直すのかもしれません。2015/03/10
まるこ
13
一つ一つの言葉が静かに染み渡ります。2013/10/01
Midori Nozawa
12
眠れぬままに近くにあったこの本を再読しました。自分自身を助けてもらいたくて読んで、救われる箇所があって少し気分転換にデンマーク語を読んでまた眠れました。自分ではどうすることもできない落ち込んだ状態がたまにあります。佐々木先生は不幸な育ち方をした子どもたちを多数ご存じで、この世に受けた命を精いっぱい生きることだけでいいんだと教えています。病気がまだうまく治癒していない孫を思い、よけいな心配をしてしまう私です。たとえ後遺症が重くても、親や周りの人たちから愛されて育っている彼は優しい心の持ち主。2019/08/29