内容説明
雀ゴロの英さんは、一本気なイカサマ師。だけど最近はどこの麻雀クラブも油断しなくなって、商売あがったり。そこへ謎の美女が現れて「麻雀を教えて」とせがむ。下心をこらえて彼女と組んだ英さんは、大勝負に臨むが…。表題作「天和をつくれ」ほか、文庫初収録の短篇計八作。いずれも、ギャンブルが題材ながら、描かれているのは、勝負に生きる“人間”たちの哀楽にみちた人間模様。昭和の匂いを満喫できる一冊。
著者等紹介
阿佐田哲也[アサダテツヤ]
1929年東京生まれ。雑誌記者などを経て作家活動へ。阿佐田哲也の筆名で麻雀を題材にしたギャンブル小説を多数発表する一方、本名の色川武大名義で主に純文学、井上志摩夫名義で時代小説などを執筆。89年心筋梗塞で倒れ死去。享年六十歳(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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緋莢
11
図書館本。おひき(仲間)に、自分が便所に行っている間に天和になるように山を仕込んで貰う〝便天”を得意とする男。ある日、麻雀を教えて欲しいと言ってきた女をおひきに仕込むが…というのが表題作。やられた!というのが伝わってきますが、そこまで悲壮感はありません。 「パイパンルール」は、「来る客を、麻雀でしぼりあげ、酒でしぼり、トルコでしぼっちゃうの。どう? すごいアイディアでしょ?」(続く2024/06/11
hirayama46
9
阿佐田哲也はろくに読んでいなかったのですが、面白いですね。未収録短編集なので異色の短編もあり興味深かったです。SFギャンブル小説まであるとは……。晩年の作品はゆるめの雰囲気ですが、老人向けの健康麻雀を扱った短編を80年代に書いているのもなかなかすごい。とぼけたムードで悪辣なところも素敵でした。阿佐田哲也、もっと読んでいこう。2020/03/23
よっしー
8
★3 ちょっと風変わりと言うか異色の短編があったが、自分には本来の阿佐田哲也らしい作品がいいな。2016/09/09
カニック
7
8編からなる短編集。ギャンブラーの悲哀が面白い。最後のSFと麻雀の融合は笑える。2021/07/23
よっしー
5
★3 中高の時、阿佐田作品は相当読んだな。懐かしい。2024/04/11