内容説明
二〇〇五年のJR福知山線脱線事故、みずほ証券誤発注事件、みずほ銀行システムトラブル、東京電力原発事故隠し、三菱自動車の連続不祥事、六本木ヒルズの回転ドア事故、雪印牛肉偽装事件など、「失敗学」の畑村教授が実際に起きた事件や事故を検証し、失敗を防ぐ教訓を引き出す。失敗がどのように起こり、どう広がってゆくのか、すべての組織人必読の書。
目次
第1章 JRの脱線事故はなぜ起きたか
第2章 企業の組織構造が起こす「許されない失敗」
第3章 一度は通らねばならない「許される失敗」
第4章 大規模火災事故にみる教訓
第5章 災害・病気から学ぶ失敗学
第6章 失敗のメカニズム
第7章 事故を未然に防ぐために「動態保存」のすすめ
巻末対談―セブン&アイ・ホールディングス鈴木敏文会長×畑村洋太郎
著者等紹介
畑村洋太郎[ハタムラヨウタロウ]
1941年東京生まれ。東京大学工学部機械工学科修士課程修了。東京大学大学院工学系研究科教授を経て、現在、工学院大学グローバルエンジニアリング学部機械創造工学科教授。東京大学名誉教授。畑村創造工学研究所主宰、文部科学省「失敗知識活用研究会」実行委員会統括も務める。NPO法人「失敗学会」を立ち上げ、初代会長に就任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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佳音
44
畑村先生の『失敗学』はどの分野にも当てはまる名著である。失敗のΓ事件」を取り上げた本書は、より具体的にΓよい失敗と悪い失敗」を理解できる。中学生だったらこの本のほうがいいかも知れない。大人は自身の経験から具体的にどうすればよいかおぼろ気ながらも青写真が描けるが、経験が少ない未成年者は例示があったほうが納得しやすいと思う。本書で一番学んだことは一見失敗に見え、批判的に報道されたものが、実は不回避なことを日頃の準備で最小限に食い止めた件などがあり、事象のみを捉えて正確な検証を疎かにするなという点であろうか。2015/03/15
hatayan
35
2007年刊。当時話題になったJR福知山線事故、東電の原発トラブル隠しなどを題材に失敗を有効に生かす考え方を解説。2011年の福島原発事故を予見する記載も。 成功を積み重ねると人は傲慢になり意識には緩みが生じる。成長と進歩の過程での失敗は許されるが防げるミスを繰り返す失敗は許されない。失敗を防ぐには、過去に学ぶことと、具体的な失敗を仮定し道筋を逆にたどる「逆演算思考」が有効。現場の動きにリーダーは直接触れて一次情報をもとに状況を判断したい。著者の一連の「失敗学」シリーズとして手元に置いておきたい一冊です。2020/02/06
tunehiro
7
訳あって、読む必要が有りました。失敗から学ぶには、まさにこのような「事例集」が重要だ。巻末の鈴木敏文氏との対談は、一面では異質な感じがするが、ある意味で本書全体のエッセンスとも言える。2011/07/12
魚京童!
6
http://kuzirappa.blog.fc2.com/blog-entry-1419.html2014/02/05
Harry
3
研修課題としての本ようやく読み終えた。 「許される失敗」と「許されない失敗」プラスに転化せねば。2013/06/16
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