出版社内容情報
それは、仕掛けられた出会いだったのか。
11歳の下野蓮司はある日、病院で目覚めると大人の姿になっていた。
20年の歳月が流れ、そこに恋人と名乗る西園小春が姿を現す。「子ども時代と大人時代の一日が交換されたの 」
一方、31歳の蓮司は11歳の自分の体に送り込まれ、ある目的のために、20年前の世界で小春の家へと急いでいた――。
内容説明
11歳の下野蓮司はある日、病院で目覚めると大人の姿になっていた。20年の歳月が流れていた。そこに恋人と名乗る西園小春が姿を現す。子ども時代と大人時代の一日が交換されたのだ、と彼女は話した。一方、20年後の蓮司は11歳の自分の体に送り込まれていた。ある目的を達成するために、彼は急いでいた。残された時間は半日に満たないものだった―。ミリ単位でひかれた、切なさの設計図。二度読み必至、著者だからこそできた、完全犯罪のような青春ミステリー、待望の文庫化。
著者等紹介
中田永一[ナカタエイイチ]
1978年福岡県生まれ。2008年、『百瀬、こっちを向いて』でデビュー。2011年刊行の『くちびるに歌を』で「第六十一回小学館児童出版文化賞」受賞のほか、2012年本屋大賞第四位入賞、映画化もされた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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乱読太郎の積んでる本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
相田うえお
95
★★★☆☆22082【ダンデライオン (中田 永一さん)k】もう、書き出しから不思議さ全開!現在の自分と過去の自分が入れ替わるというタイムリープネタです。時間軸を交互に切り替えながら話が進む構成なのですが、その区切りが煩雑なので(各セクション頭に西暦が書いてはあんですけどね。)読んでるうちに『ん?これはどっちのセクションだったっけ?』『これは誰目線なんだ?』と、若干ややこし気味で、こんがらがり状態になりましたが楽しい読書時間を過ごすことが出来ました。(ただ、ラストのアイスピックでの格闘シーンはやり過ぎ〜)2022/09/09
mayu
52
タイムリープものだけど、小学生の自分と大人の自分が1日だけ入れ替わるというのが斬新。たった1日だけの時間で出来ること。観測済みの未来はわかっているからこその安心感と、わかっているからこその閉塞感がある。未来の恋人のために自分が危険な目に遭ったとしても助けたいと願うこと。自分のために失った未来の恋人の夢を守りたいと願うこと。一緒にいる未来のために夢を手放すことを受け入れること。どれも愛おしさに裏付けされた感情だ。観測済みの未来を超えたその先で、自分たちで選択した未来で、幸せを見つけられそうで良かったと思う。2024/03/06
星野流人
50
ちょっと信じられないくらいおもしろかったです。物語はタイムリープを軸にしており、主人公の下野蓮司が11歳の頃に頭を打った衝撃で20年後に意識が飛び、1日を過ごして再び戻り、20年後のタイムリープ地点を目指す……という流れになります。この物語は1999年と2019年というふたつの時代を中心に話が進んでいくのですが、あちこちに伏線が張り巡らされており、細かなところにまで「あっ、あのときの!」という軽い驚きがあります。ほんの些細な伏線なのに、それが感動を生むような展開もあり、とても印象的でした。2021/10/13
カブ
47
少年時代の僕と、大人になった僕の1日が入れ替わる。そして、未来のことが書かれたノート。でも、そこに書かれていることの先は誰も知らない未来が…。予定通りに物語が進んでいるうちは安心していられたけれど、その先のことになると不安でいっぱい。夢中で読んでしまいました。2021/11/28
よっち
42
ある日、病院で目覚めると大人の姿になっていた11歳の下野蓮司。20年の歳月が流れていたことに驚く彼に恋人と名乗る西園小春が姿を現す青春ミステリ。戸惑う蓮司に子ども時代と大人時代の一日が交換されたと説明する小春。一方、ある目的を達成するために、11歳の自分の体に送り込まれていた20年後の蓮司。入れ替わったからこそ成し遂げられた幸運、そして何とも運命的な出会いも絡めたパズルを組み合わせるような緊張感がありましたけど、皮肉な再会によって再び動き出した運命、最後までハラハラさせてくれる展開はなかなか良かったです。2021/12/09