出版社内容情報
小石川養生所を食い物にされてなるものか!
浅草諏訪町の診療所に二人の訪問客があった。伊達家の奥医師の嫡子だった独庵こと壬生玄宗の妻・お菊がいつもの握り飯と焼いた鱚を持ってやってきた。
とうに四十の坂を越えた総髪の大男は、一見こわもてだが、酒は不調法、女人にはついつい腰が引けてしまう質らしい。これといった訳などないが、息子とともに仙台藩下屋敷に住む二度目の妻が、どうにも煙たい。
診療所を切り盛りするすずの「お客様です」の声を渡りに船と、お菊を置いて待合室に出向くと、岡崎良庵という小石川養生所の医師が控えていた。手に余る患者を診てもらいたいという。
代診の弟子・市蔵と養生所に出向いた独庵だが、売れっ子の戯作者だという患者の診立てが皆目つかない。しかし、独庵の気掛かりはそれだけではなかった。
ごみ溜めのような養生所の有り様、看病中間の荒んだ振る舞い、そして独庵の腕を試すような良庵の言動……。小石川養生所にはなにかある! 独庵はさっそく、探索役の絵師・久米吉を呼び、病と称して養生所に入れ、と命ずる。
患者のためなら看取りも辞さない、馬庭念流の遣い手・独庵が、一刀のもとに悪を両断する痛快書き下ろし時代小説第2弾。
内容説明
浅草諏訪町の診療所に岡崎良庵という小石川養生所の医師が現われた。患者を診てもらいたいという。代診の市蔵と養生所に出向いた独庵だが、売れっ子の戯作者だという患者の診立てがつかない。しかし、独庵の気掛かりはそれだけではなかった。ごみ溜めのような養生所の有り様、看病中間の荒んだ振る舞い、独庵の腕を試すような良庵の言動…。養生所にはなにかある!独庵は探索役の絵師・久米吉に病と称して養生所に入れ、と命ずる。江戸随一の名医にして馬庭念流の遣い手が諸悪の根源を断つ!2021年啓文堂書店時代小説文庫大賞第1位受賞作の第2弾。
著者等紹介
根津潤太郎[ネズジュンタロウ]
1952年山梨県生まれ。医学博士。専門は神経内科。日本推理作家協会会員。エッセイ、医学ミステリー、医学実用書など多数執筆(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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