小学館文庫<br> 消された信仰―「最後のかくれキリシタン」 長崎・生月島の人々

個数:
電子版価格
¥726
  • 電書あり

小学館文庫
消された信仰―「最後のかくれキリシタン」 長崎・生月島の人々

  • ウェブストアに2冊在庫がございます。(2024年04月20日 04時57分現在)
    通常、ご注文翌日~2日後に出荷されます。
  • 出荷予定日とご注意事項
    ※上記を必ずご確認ください

    【ご注意事項】 ※必ずお読みください
    ◆在庫数は刻々と変動しており、ご注文手続き中に減ることもございます。
    ◆在庫数以上の数量をご注文の場合には、超過した分はお取り寄せとなり日数がかかります。入手できないこともございます。
    ◆事情により出荷が遅れる場合がございます。
    ◆お届け日のご指定は承っておりません。
    ◆「帯」はお付けできない場合がございます。
    ◆画像の表紙や帯等は実物とは異なる場合があります。
    ◆特に表記のない限り特典はありません。
    ◆別冊解答などの付属品はお付けできない場合がございます。
  • ●店舗受取サービス(送料無料)もご利用いただけます。
    ご注文ステップ「お届け先情報設定」にてお受け取り店をご指定ください。尚、受取店舗限定の特典はお付けできません。詳細はこちら
  • サイズ 文庫判/ページ数 283p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784094070156
  • NDC分類 198.221
  • Cコード C0193

出版社内容情報

世界遺産から黙殺された島の「祈りの記録」

250年以上も続いたキリスト教弾圧のなかで信仰を守り続けた「かくれキリシタン」たち。その歴史に光を当てようとしたのが、2018年に日本で22番目の世界遺産となった「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」だ。

ところが、PRのために長崎県が作ったパンフレットからは、「最後のかくれキリシタンが暮らす島」の存在がこっそり消されていた。

その島の名は「生月島(いきつきしま)」。

今も島に残る信仰の姿は、独特だ。音だけを頼りに伝承されてきた「オラショ」という祈り、西洋画と全く違う筆致の「ちょんまげ姿のヨハネ」の聖画……取材を進める中で、著者はこの信仰がカトリックの主流派からタブー視されてきたことを知る。一体、なぜ――。

第24回小学館ノンフィクション大賞受賞作。

文庫版解説・島田裕巳氏(宗教学者)

【編集担当からのおすすめ情報】
「かくれキリシタン」を描いた作品では、作家・遠藤周作氏の小説『沈黙』があまりに有名です。

“弱き転び者”に寄り添う作品を世に送り出した遠藤氏は、生月島で信仰を守り続ける人たちをどう見ていたのか。この点についても、著者は意外な事実を明らかにしていきます

内容説明

250年以上も続いたキリスト教弾圧のなかで信仰を守り続けた「かくれキリシタン」たち。その歴史に光を当てたのが、2018年に世界遺産となった「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」だ。ところが、県が作ったPRパンフレットからは、「最後のかくれキリシタンの島」の存在がこっそり消されていた。その島の名は「生月島」―。島に残る信仰は、独特だ。音だけを頼りに伝承されてきた「オラショ」という祈りや、「ちょんまげ姿のヨハネ」の聖画。取材を進めるなかで、著者はこの信仰がカトリックの主流派からタブー視されてきたことを知る。一体、なぜ―。第24回小学館ノンフィクション大賞受賞作。

目次

序章 ちょんまげ姿の洗礼者ヨハネ
第1章 蔑ろにされた「聖地」
第2章 とても長い祈り
第3章 受け継がれる儀式
第4章 「かくれキリシタン」か「カクレキリシタン」か
第5章 壊し合いの歴史
第6章 「復活」を選ばなかった理由
第7章 バチカンからの視線
終章 信じ続ける意味は

著者等紹介

広野真嗣[ヒロノシンジ]
1975年、東京都生まれ。ノンフィクション作家。神戸新聞記者を経て2002年に猪瀬直樹事務所にスタッフとして入所し、15年10月よりフリーランスとして独立。『消された信仰―「最後のかくれキリシタン」 長崎・生月島の人々』で第24回小学館ノンフィクション大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

あーびん

27
徳川政府の禁教令下で250年以上にわたって弾圧を逃れながら密かに守り続けてきた「かくれキリシタン」信仰が今も残る生月島。世界遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」登録によって脚光を浴びるはずが県のパンフレットからは島の名前が消されていた。それは土着の民俗宗教に変容した信仰なのか。それとも布教期の信仰形態を保存したものなのか。戦後にバチカンは島にわざわざ枢機卿を派遣し改宗をするように諭したが、島民はこれを拒み独自の信仰を続けることを選んだ。島民の信仰の現状と変化。遠藤周作も意外と厳しい目線。2021/06/27

まると

25
面白くも物悲しいレポート。長崎・生月島の「隠れキリシタン」は仏壇にも神棚にも祈りを捧げる、生業の農漁業と密接に絡んだ信仰を持っていた。ただ、それは異端にほかならず、遠藤周作が「古い農具」と軽侮したように、世界遺産にはそぐわないものだった。確かに実態は祟り信仰の一種でしかないのかもしれないが、400年以上伝承されたそのユニークな祈祷文化を知れば知るほど、未来に残すべき価値があるように思えてくる。著者もそこに問題意識を感じていたようだ。信仰とは何か、正統とは何か、世界遺産の虚実も含めて考えさせられる良書です。2022/09/04

朔ちゃん

5
昔TVで観た「隠れキリシタン」のことが忘れられず手にとった。世界遺産から外され、資料にも載らない「生月島」こそ、かくれキリシタンの信仰そのものと著者は言う。生業(経済生活)と結びつき、サンジュワンさまという独特の信仰を持ち、1949に来日した枢機卿の前でもカトリック改宗はしなかったという。あとがきにあるように、祈りのかたちは世界遺産にならないが、伝えようとする意思が、現代にとって大いなる価値(遺産)になると思った。表紙は〈ちょんまげ姿の洗礼者ヨハネ〉である。聖画やオラショも神々しく興味深い。2021/07/12

シュークリーム・ヤンキー

2
隠れキリシタンのキリスト教信仰は、その内容が土着化しているゆえに、カトリック教会からも異端扱いされ、冷遇を受けてきたという話。かなりの衝撃だった。この冷遇は、生月の信仰が「キリスト教」という正統性を要求する宗教に結びついているからであり、もし完全な土着宗教だったら、世界遺産の文脈でも「地元の信仰」としてもっと大事に扱われていただろうと思うと、西洋的な見方の傲慢さを感じる。 この本を読んだ後だと、遠藤周作の『沈黙』の見え方も少し違ってくる。2022/07/30

うたまる

1
「もしかしたらね、彼らの方が、教会が置き忘れてきたものを持っているのかもしれない」……明治時代に禁教令が解除されたにも拘らすカトリックに復帰せず、黙殺や冷遇を受け続けた長崎の隠れキリシタンのルポ。正直なところ大して期待していなかったのに、予想外の面白さだった。素朴な土俗信仰者と強大なカトリック教会との対比に判官贔屓が働く上、教会側に見下すような言動がちらちらと見え隠れするのが程よい悪役感を醸し出しているからか。最終的にはどちら側も衰退していくのだが、生月島民の場合は解放に、教会は頽勢に映るのが小気味良い。2022/02/14

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/17871187
  • ご注意事項

    ご注意
    リンク先のウェブサイトは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」のページで、紀伊國屋書店のウェブサイトではなく、紀伊國屋書店の管理下にはないものです。
    この告知で掲載しているウェブサイトのアドレスについては、当ページ作成時点のものです。ウェブサイトのアドレスについては廃止や変更されることがあります。
    最新のアドレスについては、お客様ご自身でご確認ください。
    リンク先のウェブサイトについては、「株式会社ブックウォーカー」にご確認ください。