出版社内容情報
極上ご飯は新たな人生を歩ませる力となる。
江戸深川に建つ船宿「山谷屋」の主・志津は、微笑をたやさない童顔がお地蔵さんめいた十八歳。
六年前に死んだ父の跡を継いで、たった一艘しかない船をやり繰りしながら、大叔父の捨蔵と宿を営んでいる。
そんな山谷屋に、鼻筋の通った二十歳の船頭・百助が、川面に浮かんでいた若い女を慌てて担ぎ込んできた。
志津が作った貝柱の出汁で煮込んだ粥で、生気を取り戻した女は、「どうしておとっつぁんは、あんな目に遭わされてまで、『怨らんじゃならねぇ』だなんて言うの……きっと仙蔵に復讐してやる」、そう呟いた――。
おみねと名乗る女に、いったい何があったのか?
志津と捨蔵、そして百助は、手をかけた料理と知恵を絞った妙策で、おみねを絶望の淵から救おうと奔走する。
世話好きの三人をよく知る同心の後藤多一郎から助太刀を得たものの、最大の危機が訪れた!
「辛い過去を背負った客を癒し、新しい人生への船出を手伝う、温かい船宿」山谷屋にかかわる、輝く人々を描く、感動の文庫書き下ろし連作時代小説。
【編集担当からのおすすめ情報】
「お客さんの負の過去を変えてしまう、山谷屋のおもてなしを受けてみたい。こんな宿が本当にあったらいいな」と、本作りしながら思いました。
内容説明
江戸深川に建つ、小さな船宿山谷屋の女王・志津は、亡き父の跡を継ぎ、大叔父の捨蔵と宿を営んでいる。ある日、船頭の百助が、川面に浮かんでいた若い女を担ぎ込んできた。生気を取り戻した女は小声で呟く。復讐してやる―。おみねと名乗る女に何があったのか?志津と捨蔵、百助は、手をかけた料理と絞った知恵で、おみねを絶望の淵から救おうと奔走する。三人をよく知る同心の後藤多一郎からの助太刀も得たが、予期せぬ困難が訪れてしまい…。辛い過去を持つ客を癒し、新しい人生への旅立ちを手伝う、温かい船宿の人々を描く、ぬくもりと感動の連作時代小説。
著者等紹介
澤見彰[サワミアキ]
1978年、埼玉県生まれ。大学では日本民俗学を研究。2005年、『時を編む者』(光文社KAPPA・ONE)でデビュー。以降、時代小説・ファンタジーを主に執筆(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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nyanlay
陽ちゃん
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