小学館文庫<br> 唐牛伝―敗者の戦後漂流

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小学館文庫
唐牛伝―敗者の戦後漂流

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  • サイズ 文庫判/ページ数 567p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784094065794
  • NDC分類 289.1
  • Cコード C0193

出版社内容情報

六〇年安保に火をつけた男の全生涯

装甲車を乗り越えよ――。その男は国会前に群がった学生たちに咆哮すると、車の上から、警官隊にダイブした。全学連委員長・唐牛健太郎。六〇年安保はこの男の情念が火を付けた。

しかし、500万人の男を熱狂させた「政治の季節」は岸信介政権退陣とともに過ぎ去る。ともに闘った若者たちは社会に戻り、高度経済成長を享受した。

唐牛健太郎だけはヨットスクール経営、居酒屋店主、漁師と職を変え、日本中を漂流した。彼はなぜ、“何者か”になることを拒否したのか。ノンフィクション作家・佐野眞一が北は紋別、南は沖縄まで足を運んだ傑作評伝。

◎解説 「敗者への深い想い」 ――川本三郎(評論家)

【編集担当からのおすすめ情報】
「昭和の妖怪」岸信介と対峙し、「聖女」樺美智子の十字架を背負い、「三代目山口組組長」田岡一雄と「最後の黒幕」田中清玄の寵愛を受け、「思想界の巨人」吉本隆明と共闘し、「不随の病院王」徳田虎雄の参謀になった全学連元委員長、47年の軌跡です。文庫化に際しては、「盟友・西部邁の自裁死」についてや、青年期の唐牛に大きな影響を与えた「函館の番長」の追跡調査など、追加取材の上、大幅加筆しています。

まえがき
第一章 装甲車を乗り越えよ
第二章 革命前夜
第三章 闇に蠢く
第四章 逃避行
第五章 闘士たちのその後
第六章 与論・紋別・喜界島
第七章 名もなき死
あとがき
文庫版のための短いあとがき
解説 敗者への深い想い

佐野 眞一[サノ シンイチ]
著・文・その他

内容説明

装甲車を乗り越えよ―。その男は国会前に群がった学生たちに吃哮すると、車の上から警官隊にダイブした。全学連委員長・唐牛健太郎。六〇年安保はこの男が火をつけた。しかし、500万人の若者を熱狂させた「政治の季節」は岸信介政権退陣とともに過ぎ去る。ともに闘った若者たちは社会に戻り、高度経済成長を享受した。唐牛健太郎だけはヨットスクール経営、居酒屋店主、漁師と職を変え、日本中を漂流した。彼はなぜ、“何者か”になることを拒否したのか。ノンフィクション作家・佐野眞一が北は紋別、南は沖縄まで足を運んだ決定版評伝。

目次

第1章 装甲車を乗り越えよ
第2章 革命前夜
第3章 闇に蠢く
第4章 逃避行
第5章 闘士たちのその後
第6章 与論・紋別・喜界島
第7章 名もなき死

著者等紹介

佐野眞一[サノシンイチ]
ノンフィクション作家。1947年東京生まれ。1997年に『旅する巨人 宮本常一と渋沢敬三』で大宅賞、2009年に『甘粕正彦 乱心の曠野』で講談社ノンフィクション賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

さすらいの雑魚

7
知多市の人がインタビューされてる。憧れのヒーローの関係者が市内に!世間は狭い♪唐牛健太郎の評伝っても令和の御代では唐牛?ダレ?が基本。だけど知る人ぞ知る戦後最大の英雄さん。岸"妖怪"内閣を倒壊させた60年安保闘争を指導した栄光のブント全学連委員長。どんな人かと言うと"ホリエモンのペースで両津勘吉のように生きた石原裕次郎よりカッコいい人"がボクの理解。そんな陽性で虚実入乱れた英雄伝説の主の後半生の人知れぬ孤独と痛みを当代屈指のジャーナリストが執拗な取材で炙りだした単行本を追加取材増補した渾身の文庫版がこれ。2021/03/14

shonborism

4
名前だけは知っていたが、これほどまでにスケールの大きな人物だったとは。しかし、背負わされた十字架は重かったんだろうな。他にもバラバラに知っていた人物が唐牛を中心に繋がっていくさまが凄かった。2018/12/18

Hiroki Abe

2
60年安保闘争の立役者にしてカリスマ、唐牛健太郎のその後を紐解いていくノンフィクション小説。唐牛の人たらしは天性のもので様々な人を魅了し、虜にしていく。唐牛の魅力とはどこなんだろうなと考えてみると生に執着してないところではないのかと思い至る。命など使うときに使わなければ意味がない。何故かこの言葉が頭に浮かんだ。2022/09/08

てっちゃん

2
60年安保の一方の主人公のその後が無茶苦茶面白い。しかし、重いものを背負って生きるっていうのは、しんどかっただろうな。2018/12/17

夏風邪

2
母校の先輩として名前だけは知っていたが、自分にとってはもはや歴史のような存在。たとえ損な役回りになったとしても、己の美学を全うした人間の姿がそこにはあった。後代に生きる我々に響くのはイデオロギーではなく、生きることの矜持である。2018/11/18

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