小学館文庫<br> スリー・アゲーツ〈下〉―二つの家族

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小学館文庫
スリー・アゲーツ〈下〉―二つの家族

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  • サイズ 文庫判/ページ数 346p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784094064322
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

最後の最後まで、父親は父親だった――。

北朝鮮工作員が命がけで守ろうとしたもの、それは――。

旧防衛庁出身作家の渾身作にして、第3回大藪春彦賞を受賞した大傑作エンターテインメント、感動の下巻!

米国国防総省(ペンタゴン)直轄の情報機関に所属する葉山隆は、北朝鮮工作員で、偽造紙幣”スーパーK”の運び屋・チョンの足取りを追っていた。
チョンは、日本での隠れ蓑として杉川春子という女と家庭を持ち、勇気という息子をもうけていた。
勇気は、父から贈られた瑪瑙(アゲート)の石を、片時も放さずに持っていた。

葉山は、野球を通じて勇気と知り合い、聞き取り調査を進めるうち、チョンが春子と勇気に抱いている愛情は本物だという確信を深めていく。
そして、春子や勇気を囮にチョンをおびき出そうとする組織の作戦に反発し、チョンを亡命させるべく動き出す。

一方、チョンが北朝鮮に残してきた妻・光朱と娘・春花は、国境を流れる豆満江を越えようとする。
だが、渡渉の途中に北朝鮮の警備隊に見つかり銃撃され、光朱は命を落とす。
ひとり残された春花は、父に贈られた瑪瑙の石を胸に、父を待ちはじめるが‥‥。

祖国とは何か?
家族とは何か?
工作員の行為にひそむ、凄絶な悲しみが読む者の胸を打つ。
ラストは感涙必至!!

内容説明

米国国防総省直轄の情報機関に所属する葉山隆は、北朝鮮工作員・チョンの足取りを追ううち、チョンが日本で杉川春子と家庭を持ち、息子をもうけていたと知る。同じ頃、チョンが祖国に残した妻・光朱と娘・春花は、国境を流れる豆満江を越えようとしていた。だが、渡渉の途中に北朝鮮の警備隊に銃撃され、光朱は命を落とす。チョンが二つの家族に抱く愛情はどちらも本物だと確信した葉山は、彼を亡命させる決意を固める。祖国とは何か?家族とは何か?工作員の行為にひそむ、凄絶な悲しみが読む者の胸を打つ。ラストは感涙必至。第三回大藪春彦賞受賞作!

著者等紹介

五條瑛[ゴジョウアキラ]
大学卒業後、防衛庁に入庁、情報・調査専門職を務める。退職後はフリーライターを経て、1999年に『プラチナ・ビーズ』で作家デビュー。2001年に、『スリー・アゲーツ』で第3回大藪春彦賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Rin

53
[再読]チョンの抱える家族への愛。そして地獄のような境遇から逃げたしたいという葛藤。そんなチョンを追いかける葉山。チョンという人物を追いかけていくうちに、彼を知っていくうちに葉山にも苦悩が。日本にいて祖国のために働く人たち。チョンが関わる人たち。それぞれの生き方や、考え方を私も彼を通して知ることに。この国だからこその自由。好きに見て歩いて買う、選べる幸せを大切にしなければ。そして葉山が最後にした選択と成長。チョンの守りたかった家族のこれから。二つの家族の幸せを祈りたいです。シリーズを再読したくなりました。2017/11/25

24
スリーアゲーツってタイトルの方が、しっくりくるような気がします。家長の身勝手さにも取れて…、ちと楽しめず。2021/07/04

miyariko

9
家族の繋がりってなんだろうと意識する話だった。葉山が勇気にかけた最後の言葉は、葉山自身が欲しかった言葉でもあるのだろう。自分の父親もそうであって欲しいけれど信じる事ができなくなってしまった彼の、消えそうな願いだった。2020/06/28

彼岸花

9
面白かったと言うには語弊がありますが、読みごたえ充分でした。チョンという工作員としての生き様が、痛ましくもあり勇敢でもありました。己より、家族の幸せを念じる姿が切実で、死後も続いていることに驚きでした。葉山の温かさに触れながら、工作員ではなく、一人の人間として見れたことがとても良かったです。著者の他の作品も、機会があれば読んでみたいですね。 2018/08/31

ゆずきり

8
血族としての家族の「愛」。そういった意味で、この作品は至高のラブストーリーだと思う。今の若い子にはリアリティがないかもしれないけれど、それでもチョンの「家長」としてのカッコ良さ、背中の頼もしさは否が応でも伝わるのでは。何度読んでも面白いけれど、鉱物シリーズの2作目だけ再版されたのは本当に不思議。1作目『プラチナ・ビーズ』が再版していないので、最初から順番に読みたいタイプの友人に薦められず。こちらも是非再版してほしいです。2019/02/03

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