小学館文庫<br> 遺産〈下〉

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小学館文庫
遺産〈下〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 389p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784094063172
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

海賊より強欲! 積荷の財貨は10億ドル!

日本本土から約2000キロ、北緯28度5分、東経158度19分の地点で、興田真佐人は400年前に沈んだスペイン船「アンヘル・デ・アレグリア」を発見した。船は、海山の上、水深50メートルの地点で危うい均衡を保っている。海底で運命の出会いを果たした真佐人は、一刻も早い「アンヘル・デ・アレグリア」の引き揚げを目指すが、そのコストは天文学的なものになる。最新鋭の探査船「オーシャン・イリュージョン」を所有する水中遺物専門のサルベージ会社「ネプチューン・サルベージ」CEOジェイク・ハドソンは、共同での引き揚げを真佐人たちに提案するが、その条件は到底受け入れられるものではない。障害は、地上だけにあるわけではなかった。沈船ポイントから東に100キロの地点にあった海底火山が噴火を繰り返し、ついに新島が誕生した。震動によりあと何百メートルかずり落ちたら、「アンヘル・デ・アレグリア」は4000メートルの深海底へ一直線に墜落してしまう--。

水中考古学を専攻する興田真佐人は、四百年前、祖先・正五郎とともに沈んだスペイン船「アンヘル・デ・アレグリア」号を、太平洋のど真ん中の海底で発見した。スペイン人実業家アントニオと引き揚げの計画を練る真佐人の前に、世界一のトレジャーハンティング会社「ネプチューン」のCEOジェイク・ハドソンが立ちはだかる。恩師の田野倉教授、同期の片岡亞希の協力を得て、真佐人の“魂の遺産”獲得をめぐる闘いが始まった。

【編集担当からのおすすめ情報】
『還るべき場所』『未登峰』『大岸壁』
山岳小説で数々の名作を送り出した笹本稜平は、
海洋冒険小説もすごい!
希望のために生きる時間こそ、人生の宝だ。

笹本 稜平[ササモト リョウヘイ]

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

absinthe

168
面白かった。冒険といっても、シグザウエルやグロックは出てこない。正面から海と戦う小説だ。海にかける男たちの息吹が感じられる。磯の香りが漂ってきそうな小説。ただ本書、政治的駆け引きに比重を置きすぎている嫌いはある。海中での作業をもっと掘り下げて、膨らませて欲しかった。金のかかる海洋考古学では、お金の出所の話題は仕方の無いことかもしれないのだが。歴史、海洋科学、技術、政治、ダイビング。あらゆる視点を精密にしようと心がけた作者に感服。2017/01/09

ナルピーチ

120
下巻に入ってからは予想外の連続。思い描いていた物語とはだいぶ違ったけども、圧倒されるスケールの大きさと敵対する相手との“海底遺産”を巡った壮大な争奪戦、利権を絡めた心理戦が読み応え満載!そして本書のもう一つのテーマでもある“血脈”。途絶える事のない血の奔流はどんな荒波にも負ける事なく時代を超えて受け継がれていく。これもまさしく“魂の遺産”に違いない。そしてなんといっても紆余曲折を受けてのクライマックスに思わず感涙!海底に沈む多くの沈船。数百年たった今も、その多くは誰の手にも届くことのない深海に佇んでいる。2023/07/24

サンダーバード@読メ野鳥の会・怪鳥

84
海底に沈んだ古代の秘宝を引き上げる。まさに夢とロマンの世界だ。ただ現実には名誉と金と欲が絡むし、法と政治も邪魔をする。考古学者VSトレジャーハンターに国家と政治にビジネスの思惑も重ねた点はリアリティを増したとも言えるし、純粋な海洋冒険物の面白みを薄めたとも言える。この辺は好みが分かれるところかもしれない。★★★+2017/07/08

うめ

26
仕事や人生に向き合う作中人物たちの言葉が良かった。ある種の成長物語でもある。だけども、やっぱり過去パートが一番吸引力があったかも。2017/01/30

Norykid

22
海洋ロマン巨編、その後編。400年前に太平洋の真ん中に沈没したスペイン船、アンヘルデアレグリア。異国の船の日本人船長は、今でも舵輪に自らを縛りつけた形で船内に眠っている。そしてその引き揚げプロジェクトに参加する主人公は、彼の子孫に当たる。財宝目当ての巨大資本企業との闘い、三国が絡む所有権騒動、そして不吉な海底火山の噴火の予兆。テクノロジーと資本力を駆使して引き揚げ作業に取り掛かるクルーらに、海底火山の猛威が迫る。本書で急展開を見せるストーリー。最後のオチは出来過ぎだが、ご先祖様の奇跡と考えたい。2016/07/24

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