出版社内容情報
この医療活動は日本の底力だ。
簡易ベッドで埋め尽くされた待合室、廊下にあふれる被災者、家族の安否もわからないまま不眠不休の極限状態で働く医療従事者の姿――東日本大震災で災害医療の最前線となった石巻赤十字病院での全記録です。
約20万人が居住する石巻圏の医療施設がほぼ壊滅状態となり、唯一、水没を免れ、自家発電機を所有していたこの病院に人々が殺到。また、石巻市役所が浸水のため孤立、一時は300か所以上に膨れあがった避難所への医療提供やアセスメント(評価付け)も医師自らが担いました。結果的に救えない命も少なくはありませんでしたが、それを最小限に留める努力を、赤十字の組織力と機動力をもって全力で行ったこの病院の取り組みは、今後の災害医療のモデルケースになるともいわれています。
かつてない規模で行われた過酷なトリアージ、津波被害特有の“低体温症”患者への対応、避難所の劣悪な環境が引き起こした肺炎――石巻赤十字病院が体験した死闘の100日間を追い、そこで生まれた様々な人間ドラマと交差させながら描くノンフィクションです。
ロングセラー単行本を、増補(5年後の石巻赤十字病院・約1万8000字)して文庫化!
内容説明
ロビーにあふれる被災者、家族の安否もわからないまま不眠不休で働く医療従事者の姿―3・11当時、連日テレビで石巻赤十字病院の様子が報道された。約20万人が居住する石巻圏の医療施設が壊滅状態となり、唯一、水没を免れ、自家発電機を有していたこの病院に人々が殺到していたのだ。約300か所にまで膨れあがった避難所への医療提供やアセスメント(評価付け)も自らが担うことに。赤十字社の組織力と機動力をもって、全力で医療活動を行ったこの病院の取り組みは、今後の災害医療のモデルケースになるともいわれる。生きた教訓となるノンフィクション。
目次
1章 地震発生(三月一一日午後二時四六分;災害対策本部立ち上げ、災害レベル3を宣言 ほか)
2章 石巻二二万人の瀬戸際(看護専門学校、避難所の二日目;取り残された避難所・渡波小学校 ほか)
3章 終わらない災害医療(薬を流された人々の生命線;感染症対策チームの避難所巡回 ほか)
4章 五年後の石巻赤十字病院(数字で振り返る3・11震災;被災者であり救援者であった看護師 ほか)
著者等紹介
由井りょう子[ユイリョウコ]
1947年長野県生まれ。大学在学中から雑誌記者として活動。現在は、医療や介護関係、ノンフィクションなどの執筆を手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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